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自殺が罪になった日
自殺が罪になった日
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もしかして、年上好きなの?」
「そうじゃない。ただまいが好きなだけだ」
「私も好き」
「ああ。よかった」
「でも、びっくりしちゃった」
「そう だよね。でも、今日がここに来るの最後だから、どうしてもいいたかったんだ」
「何で? あの人、一ヶ月休むんじゃないの?」
「この事。社長にばれて霧野の営業所に帰れって言われた」
「いつ、言われたの?」
「おととい」
「何で。言ってく れなかったの?」
「まいが責任感じて会ってくれなくなると思って」
「責任感じるも何も。責任は私にしかないでしょ。会社に帰ったらちゃんと言うんだよ。女受刑者に脅迫されてしょうがなく話し相手になったって」
「言えねえよ。そんな事。それにそんな事いったらまいの刑期延びるじゃん」
「私の事より。ときおに対する会社の信用の方が百倍大事だよ」
「そんなことない。まいがここから早く出てあの時の俺のようなガキに本当に大事なことを教える方が大事なんだよ」
「ごめん。これじゃあ、どっちが年上かわかんないね」
「あやまんなよ。でもさあ。なんで、いつもちょっと離れてんの?」
「臭いから」
「俺が?」
「私が」
「臭い? まいは臭く ないよ」
 彼は右足を一歩前に出し、彼女の手を引っ張り抱き寄せた。
「やめて。おこるよ」
「うるさいな」
 彼は彼女の唇を自身の唇で塞いだ。
「はぁー。死にそうだった」
彼女が言った。
 彼は彼女の唇を三十秒ほど拉致監禁した。
「この下手く そ」
「ごめん。初めてだから」
「キスもした事なかったの。そのルックスで?」
「こういうことは。まいみたいな尊敬できる人としたいと思ってとっておいた」
「何時代の人? 儒教でもやってんの?」
「なんでそんなにバカにすんだよ」
「ごめん。ときお」
「ピー」
「やっべ」
 とっく に吸引が終わり車から異常をしらせる警告音が鳴った。
彼は一目散に車に走り、それを止めた。
 そして、戻ってきた。
「あー。あせった」
「あんなことするから」
「そんなこというなよ。そうだ。いつでるの?」
「あと一六日」                                       
「そうか。したら、その日俺、仕事休んで迎えに行くわ」
「その日はお母さんも来るから。できたら、違う日にしてほしいんだけど」
「あっそか。つい自分の事ばっかり考えて」
「それってセックスの事?」
「ちがうよ」
「ほんと?」
 彼女は目を細くして彼を凝視した。
「ちょっとだけ」
「それでいいんだよ。十九なんだから。お姉さんがすっごい気持ちよくさせてあげるかその日まで待ってなさい。それまでオナニー禁止」
「はい」
「じゃあ。行くわ」
「うん」
「そうだ。サイン」
「余計な
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