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東方攻勢録
第二話
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あげていた。


「私が下した判決を言っているだけです。それ以外になにもありません」

「しっしかし……」

「裁判を妨害する気ですか?」

「……すいません」


死神を黙り込ませたところで、映姫は話を続けた。


「三図の川を渡る際、船の上で何を見ましたか?」

「えっと……俺の死体……ですか?」

「そうです。理由もなくこの場に死体を持ってくる訳がないでしょう?」

「はあ……」


状況が飲み込めない俊司。だがそんな彼をおいて、映姫は話をどんどんと進めていった。


「幻想郷の状況は我々も把握しています。それゆえに、あなたを失うのは惜しいというのも把握済みです」

「はあ……」

「勝手ではありますが、あなたの死体は先ほどこちらの手で封印させていただきました」

「はあ……って、ええ!?」


映姫の一言に、その場にいた全員が声をあげて驚いた。

だが、それにも関らず映姫はなんの反応もなくその場に座り込んでいる。周りの死神全員が驚いているのを見ると、すべて彼女の独断で行っていることだろう。

あまりにも大胆な行動に、俊司は何も言えずにいた。


「何をおっしゃってるんですか! 映姫様!」

「言葉通りです」

「それは分かっています! ただの死人の死体を持ってきた挙句……封印を施して何を行おうとしてるのですか!!」

「それは簡単です」


そう言うと、映姫は再び俊司のほうを向いた。


「里中俊司、あなたには亡霊になっていただきます」

「ええ!?」


またしても、俊司は目を見開いて驚いてしまった。

彼女はただ単に自分が下した判決を言ってるだけなのだろうが、周りの人は展開が飲み込めずにただただ呆然としてしまっている。

それでも、彼女は話を続けていった。


「あなたには幻想郷を守るという使命を与えます。普段は冥界の白玉楼にて雑務をこなしていただき、異変が起きれば解決に出向いていただきます」

「……」

「それが、今回私が下したあなたへの判決になります。よろしいですね?」

「え……あ……はい」


なにも状況が飲み込めないまま、俊司は無意識に返事をしていた。


「では、これにて死人『里中俊司』の裁判を閉廷いたします」


映姫はそう言うと、立ちあがって一礼したのちその場を後にした。


「……なにが起こったんだ……?」


一人残された俊司は、ぼそっと呟いてその場に座り込んでいた。















地獄 裁判所廊下にて


「よろしかったのですか! 映姫様!」

「なにがですか?」

「あのような判決ですよ
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