第八話 強敵 後編
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side 遼
私は遠くから二人を見つめていた。
「また、てめえか」
「私は二度と会いたくはありませんでしたけどね」
空中でにらみ合う二人。
私は自分に身体強化を限界ギリギリまでかける。
「あん時のカリ、ここできっちり返してやろうか」
「それでもよろしいでしょうけど、あなたには無理ですね」
片手でノートゥングを構え、顔の辺りで水平に保つ。
「な! 俺じゃあ相手にならねえってか!」
「はい、あなたではマスターの足元にも及びません」
マスター? と彼が予想外の単語に気を取られた隙に、彼との間合いを詰める。
「な!」
私が近くに跳んできたことによって、彼も私を認識する。
『シールド』
彼のデバイスが円形の盾を展開するが、これは間違いだ。
この技に、盾は通用しない。
ちょっと前に漫画で読んで、必死に練習した。
「牙突」
盾に剣が触れる瞬間に、右手を全力で押し込む。
「はぁ!」
限界以上の圧力を受けた盾は呆気なく砕ける。
そのまま私は体を回し、刀の峰を彼の腹に叩きつける。
俗に言う、峰打ちだ。
「うぐぅ……」
それはそのまま綺麗に決まり、うめき声を出した後に気絶した。
「お見事です、マスター」
私は剣を鞘にしまう。
「まったく、こいつ妙にガードが硬いんだもの、一撃で決めなきゃいけないし、それにこれ二度目からは通じなくなるのが嫌なんだよね」
たぶん、次からは避けるかいなされるし。
「それでも、マスターが勝ちます」
「はは、ありがとう……、あ、そう言えば」
私は忘れていたが、腕に抱いているこいつのデバイスに話しかける。
「わかってると思うけど、私たちの正体については詮索禁止だからね、……破ったら次は本気で殺るから」
『……わかりました』
低い声が彼の腕から聞こえてくる。
まあ、気休め程度にしかならない脅しだけれど、しないよりかはマシだろう。
「じゃあ、こっちは済んだし、ユニゾンしてあっちの方を見に行こうか」
「了解しました」
クリムが私の体に溶け、髪の色が黒に変わる。
「ふむ、まあ、口調が変わるのが難点だが、しないよりかはマシだろう」
私はこいつを掴んだまま、なのはの元へと急いだ。
いた!
どうやらなのはは二対一で不利な戦いを強いられているらしい。
そのうちの一人がなのはに向けて魔力弾を放つ。
まずい!
私はとっさに持っていたこいつを投げて、なのはの盾にした。
「ぎゃあああああああああああああああああ!?」
うるさい悲鳴が聞こえ
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