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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十二話 Me262 V1
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はないんだ。なのに何故……」

 理解できないといった表情のバルクホルンに向けて、和音は静かに言った。

「――握れない。――どう頑張っても思うように力が入らない。そうではありませんか? バルクホルン大尉」
「どういうことなんだ、少尉。説明してくれ!」

 真剣な表情で詰め寄るバルクホルンに、和音は順を追って説明していく。それは、ジェットストライカーが主流となった時代のウィッチだからこその視点であり、警告だった。

「ジェットストライカーは、従来型のレシプロストライカーと比較して魔法力の消耗が激しいんです。大尉は今日の午前中だけで、限界高度までの上昇試験と完全装備での飛行試験を行っています。バルクホルン大尉、今の大尉の体は自分が思っている以上に消耗しているんです。一歩間違えば、魔法力を吸い尽くされていたかもしれないんですよ?」

 衝撃的な事実に、食堂は水を打ったように静まり返る。
 それが紛れもない真実であることを、力んで震えるバルクホルンの手が証明している。
 これっぽっちの力も出せないほど、操縦者の魔力を消耗させるのだ、と――

「魔法力の過剰消耗によるウィッチの損失を防ぐため、F-15J型には緊急停止装置≠ェ備わっています。加えて、ウィッチを守るために様々な工夫がされているんです。それだけじゃありません。巡航時の速度を音速以下に抑えるなど、運用には注意を払っているんです。いいですか、まだ技術的にも未完成な試作機で無茶なテストを続ければ、大尉は飛べなくなってしまうかもしれないんですよ!? それでもいいんですか!?」

 熱を込めた和音の警告は、しかし今回に限っては逆効果だったようだ。

「技術的に未完成だと……? 黙って聞いていれば好き放題言ってくれたな!! 技術的な水準の話は、あくまで未来から見ての話だろう。現状の技術レベルでは最高水準と言っていい機体だ。実戦で通用するかどうかは、私がテストして証明してみせる。そしてかならずカールスラントを奪還するんだ!!」

 ダンッ!! っと机を叩いて立ち上がると、バルクホルンはいらだちも露わに食堂から去ってしまった。後味の悪い沈黙と罪悪感に胸を苛まれながら、和音もまた食堂を後にする。

「あ、あの、和音ちゃん……」
「ごめんなさい宮藤さん、今、ちょっといっぱいっぱいなんで……」

 唇を噛みしめたまま、和音は小走りで宮藤の横を駆け抜ける。
 そうしないと、悔しさと悲しさで叫び出してしまいそうだったから。
 結局、その日の夕食は、これまでにないほど気まずいものとなってしまったのだった。






 ――夜 自室にて

「うっ……ひっく……大尉の……バルクホルン大尉のばかぁ……」

 飛び込むようにしてベッドに倒れ込んだ和音は、そのま
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