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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十二話 Me262 V1
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、という話だった。テストのためカールスラントに預けていたのだが、思いのほか早く返還されるらしい。

「午前中に連絡機が来るそうだから、おそらくそこで引き渡しになるだろう」
「そうですか……ガランド少将は、テストの結果について何かおっしゃっていましたか?」
「ん? ああ、ずいぶんと気に入ったらしいぞ。なんでも、天使に後押しされているようだ≠ニ言っていたな」

 食後の茶を啜りつつ言う坂本。約束通り、きちんと本人がテストを行ってくれたようだが、その結果も良好だったらしい。とはいえ、天使に後押しされる、というのはさすがに言い過ぎではなかろうかと思う和音であった。

「食事が終わったら、格納庫の方に顔を出してくれ」
「了解しました」

 そう言って席を立つ坂本。和音も自分の皿を片付けて席を立つと、足早に格納庫の方に向かう。なにしろ愛機が返ってくるのだ。徐々に大きく聞こえてくる連絡機のエンジン音に急かされながら、和音は格納庫へと駆けて行った。



「失礼します。沖田和音少尉でありますか?」
「はい、沖田和音は私ですが、カールスラント空軍の方ですか?」

 格納庫についたときには、すでに連絡機は着陸して、積み込んできた荷物をおろしているところだった。すると、機体の傍らに立っていた男性が和音の姿を認め、こちらに小走りで駆けてきたのである。恰好から察するに、カールスラント軍人であることは間違いないだろう。

「失礼致しました。我々は、カールスラント空軍第44戦闘団所属の者であります。ガランド少将より、少尉のユニットをお預かりしております」
「ああ、なるほど」

 見れば、今しも連絡機からゴツイ固定ボルトが降ろされ、基地の格納庫に運び込まれてゆくところだった。同時に、F-15ともう一つ、見慣れないユニットを積んだボルトが運び込まれてゆく。

「あの、今運び込まれていったのは……?」
「カールスラントで完成したジェットストライカーの試作機です。ノイエカールスラントの方から実地でのテストを行うように、と」

 どうやら運び込みは終わったらしい。
 それでは失礼します、と言って敬礼すると、男性兵士は連絡機へと駆け戻って行った。

「試作機か……誰がテストするんだろうな」

 まだ見ぬ試作機に心を躍らせつつ、和音は久しぶりに再会する愛機の下へと急いだ。





「ほう、これがカールスラントの最新型か」
「正確には、試作機ね。『Me262 V1』ジェットストライカーよ」

 和音がやって来た時、そこには既に坂本とミーナがいた。
 二人の目の前には、赤く塗られたストライカーユニットが鎮座している。
 どうやら二人で荷物の受け取りに出ていたらしい。

「む、なんだこれは。新型のユニットか?」

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