第6話「試験―@」
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沈み、かわりに月が映えている。それでも休憩をはさみつつ、彼の集中力は持続されていた。
カリカリと音を立てて鉛筆がノートを走る。目は真摯に問題のみに注がれ、頭はフルに回転している。
目の前の課題に集中しきっていたタケルの部屋に、取り付けられた電話が響いた。
突然のコール音に背をビクリと震わせ、暫し逡巡した後に受話器を取った。
「はい」
「タケル君に生徒が来てるよ、一階ロビーで待たせてあるから」
「俺に?」
怪訝な顔になったタケルだったが、すぐに礼を言って電話を切る。寮長の先生に指示されたとおり、一階のロビーに降りるとそこには確かに2−Aの生徒。
早乙女ハルナと宮崎のどか、それに近衛木乃香。
珍しい組み合わせだ。
質問か? とも思ったが彼女達がそういった手荷物を持っているようにも見えない。タケルが首をかしげていると彼女達が今にも泣きそうな顔をしだした。さすがにギョッとして声をかける。
「どうした?」
「た、大変なんですー」
「ネギ先生とバカレンジャーが行方不明に……」
バカレンジャーとは2−Aでも特にテストの成績が悪い5人のことで、
綾瀬夕映、神楽坂明日菜、古菲、佐々木まき絵、長瀬楓
――だったか?
5人の顔をどうにかして思い出す。
「先生、どどどどうしたらーー!?」
ワタワタと慌てふためく目の前の二人を見たタケルはため息をついて詳しい事情を聞くことにしたのだった。
――どうしてこうなった。
彼は考えていた。
どうやら今度のテストで激しく成績が悪かった生徒は小学生に戻される、という噂話が彼女達の中で流れていたらしい。
それに危機感を覚えた5人のバカレンジャーが、図書館島に存在しているという頭がよくなる魔法の本を探しに出発。そのついでに半ば強引な形でネギを連れて行った。
というのが、事件の真相ようだ。
「はぁ」
噂云々はさておいて、彼女達の気持ちもわからないではない。大半の小・中・高生にとって勉強ほど苦痛に感じる存在はないだろう。
だが、そのために行方不明になって周囲に迷惑をかけるようであればそれはさすがに許すわけには行かない。
報告に来てくれた3人―もう部屋に帰らせて、ここにはいないが―にも既に心配をかけている。明日になっても見つからなければ、それこそ警察沙汰になってもおかしくない。クラス全員、学校全体が心配するだろう。
図書館島の地図のコピーを握り、頭部には探検用のライト。そして勿論、服の下にはガンツ装備一式を。
「……後でこってり絞るか」
呟き、タケルは図書館島に突入した。
大きな扉を開け踏み入ったその地は、確かに図書館島と呼
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