−機械戦士−
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――デュエルアカデミア。次世代のデュエリストを育成するために作られた、デュエルの専門高校である。その実技テストがここ、海馬ランドで開かれようとしていた。
(ってところだな。ナレーションは)
……俺の名前は黒崎遊矢。デュエルアカデミアを受けに来た受験生の一人で、筆記テストの順位は二番だった。
「それデーはこれよーり、入学テストの実技を始めるノーネ!」
変なイントネーションで喋る白い外人の先生の挨拶が終わり、120番から5人ずつ、実技テストが始まっていった。
スタジアムの上にある観客席で、多くの生徒は自分のデッキを確認していたり、俺を含めてぼーっと下の奴のデュエルを眺めていた。そんな時。
「デッキの再確認もしないとは、余裕なのかい、二番くん?」
横から他の受験生に話しかけられた。白い服に身を包んだその男は、二番である俺の隣にいるということは、必然的にこの受験生のトップに存在する人間であるということだ。
「俺の名前は二番なんて番号じゃない。黒崎遊矢だ。お前の名前は?」
「おっと、すまない。自己紹介が遅れたな。俺の名前は三沢。三沢大地だ。よろしく」
その一番の男は三沢大地と名乗りながら、お互いに頑張ろうという意味か手を出して来たので、とりあえず握手をしておいた。
「ところで、さっきの話だが、君は何故自分のデッキを再確認しないんだ?」
「そりゃあもちろん、決まってる。俺は自分のデッキの仲間を信じているからな」
それを聞いた三沢は一瞬驚いたものの、すぐにその顔は笑みに変わっていた。
「驚いたな。クールそうに見えて、なかなか熱い奴じゃないか」
「そ、そうか?」
俺のその反応が面白かったのか、三沢が失礼にも声をあげて笑う。外見でクールだと思われることはたまにあるが、そこまで笑われるとは心外だ。
「お前こそ」
「ん?」
「お前こそ何で、デッキを一回しか確認しないんだ?」
我ながら小さいことをしたものだが、そのまま反撃とばかりに受けた質問を返してみると――
「俺は自分のデッキを信じているからな」
――と、ほとんど同じ答えが返って来た。三沢大地……こいつとは仲良くなれそうだ。それから三沢と雑談している内に受験は進んでいき、五番から一番。つまり、俺たちの番がやってきた。
「お互い頑張ろう、黒崎」
「黒崎じゃなく、遊矢って呼んでくれ。俺は名前の方が好きなんだ」
「……分かったよ、遊矢。お互い頑張ろう」
「ああ」
……しかしそんな三沢との会話に反して、デュエル場に着いて見れば、試験官の先生達数人の様子がおかしかった。
「どうかしたんですか?」
名前を呼ばれてからデュエル場へと行く決まりだった
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