第一章 土くれのフーケ
第十一話 エミヤシロウという男
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かにゴーレムを切り倒すと、ゴーレムは回復することなく、ただの土くれになってしまった。
それを確認するも、士郎は油断することなく構えをとかなかったが、数分たっても動かない事を確認すると構えをといた。
「いやーすげえな相棒は! まさか、メイジが魔力切れを起こすまで、ゴーレムを倒し続けるなんざぁ、有り得ねえぜ」
「……」
構えを解くも、その場から動かない士郎に、デルフリンガ―が声をかけようとすると、森の中からロングビルが現れた。
ロングビルは士郎に声をかけながら近づいてきた。
「すっ、すごいんですね、ミスタ・シロウは、こんな、巨大な、ゴーレムを、たおす、なんて、」
息を切らしながら、疲れた調子で近づいてくるロングビルに、士郎は笑いかけることなく、未だ戦闘モードの刃物の如く鋭い視線を向けた。
「ロングビル、今までどこに」
「えっ、ええ。フーケを探しに、森の中を、探していたんですが、ものすごい、音が聞こえて、ここに今さっき、戻って来たんですが」
ロングビルの言葉に士郎は、口の端を曲げると、ロングビルが先ほどまでいた場所を、顎で指し示す。
「先程まであそこでゴーレムが壊れるごとに呪文を唱えていたの、間違いじゃないか?」
「えっ!」
驚きの声を上げるロングビルを見て、士郎は決定的な言葉を言った。
「お前がフーケだロングビル」
「なっ、何を」
否定しようとする、ロングビルを遮って士郎は言った。
「おおかた、“破壊の杖”の使い方が分らなかったことから、私たちの誰かにあの『破壊の杖』使わせ、使い方を調べようとしたんだろうが……やり方がまずかったな」
ロングビルは黙っている。それを見て士郎は話を続ける。
「フーケのサインを確認した後で、調査したというが、馬でも四時間はかかるこんな場所で調査、聞き込みを行い、学院に戻ってくるなど不可能だ」
そこまで言ったあと、士郎は皮肉気に笑って言った。
「それに、私がゴーレムと戦って倒すたび、呪文を唱えて直しているところを確認していたからな」
そこまで聞くと、ロングビルは何かを諦める様に笑うと、地面に膝をついた。
「最初から、只者ではないなとは思っていたが」
「そうかい……それで、どうするんだい。わたしは、もう魔力がなくてね、歩くことだって一苦労だし、衛兵につきだすかい? それとも、ここでわたしを殺すかい?」
どこか投げやりに話すロングビルに、士郎は冷徹な視線を向ける。
「ああ、ここで『土くれのフーケ』は殺す」
士郎の真剣な声に、微かに笑ったフーケは、どこかすっきりとした顔をしていた。
「まあ、あんたに殺されるのなら―――いいか」
項垂れたフーケを見た士郎は、デルフリンガー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ