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剣の丘に花は咲く 
第一章 土くれのフーケ
第十一話 エミヤシロウという男
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「早く行けっ!」
「そんなっ、シロウを置いて行けないわっ!」
「シロウが残るなら、わたしもっ!」

 口々に反論するルイズたちに士郎は言った。

「俺が足止めをしている間に学院から応援を呼べ」
「でもっ!」
 
 それでも、反論するルイズに士郎は笑って言った。

「ルイズ、お前の使い魔は最強だ、俺を信じろ」
「シロウ……」

 士郎の笑いながらも真剣な目を見たルイズは、唇をキュっと締めるとタバサに言った。
 
「タバサっ。学院に向かって」
 
 タバサはルイズの言葉に無言で聞き返すように、ルイズを見つめたが、ルイズが力強く頷くのを確認して、風竜を学院に向けて飛びあらがせた。




 
「相応しい主か……」

 飛び上がって学院に向かって消えていくルイズたちを確認しながら、士郎は先ほどのルイズの言葉を思い出し、口元を微かに笑の形にすると、巨大なゴーレムに向き直った。

「それで……相棒、勝算はあるのかい?」

 それまで全くしゃべらなかったデルフリンガーからの質問に、士郎は平然とした様子で肩を竦ませてみせた。

「まっ、何とかなるだろ」

 そう言うと、ゴーレムに向かって駆け出した。





 ヴァリエールたちは逃げたか……これはどうするかね……。

 森の中、ルイズたちが、風竜の乗って持っていくのを確認したフーケが、これからの事を考えていると。すさまじい音がしたことから、驚いて顔を上げると、そこには信じがたい光景が見えた。



「ハッハーっ! こりゃ驚きだな相棒! お前本当に何者なんだよ!」
「無駄口は叩くな」

 デルフリンガーの驚きの声に淡々と答えた士郎は、デルフリンガ―の柄を握り直すなおす。
 士郎の目の前には、巨大なゴーレムが倒れていた。
 
「いやいや、そう言ってもだな、こりゃ、驚いて声もでるさね、まさか、おいらであの巨大なゴーレムの足を切っちまうなんて」
「来るぞ」

 士郎はデルフリンガ―の声を無視して、切られた足を廻りの土で修復しながら立ち上がるゴーレムに向かって駆け出した。

 ゴーレムの拳がうなりをあげて飛んでくる。拳は途中で鋼鉄の塊に変わっている。
 士郎はそれを剣で受け止めることなく、そらすように剣の腹で滑らすと、逸らされ、地面を叩いた拳に上に飛び上がり、腕を駆け上がったかと思うと、ゴーレムの巨大な頭を切り飛ばした。

「うひょひょー、こりゃすげえ!」

 デルフリンガ―の声を無視して、士郎はゴーレムの拳を巧みによけながら、ゴーレムを何度も切り倒していく。

 あっ……ありえない……。人間にあんなこと。いや、亜人にだって無理だ……いったい、何者なんだいっエミヤシロウっ!

 士郎が十何回目
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