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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十一話 夜間飛行A
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が世界に誇るスーパーエース、エイラ・イルマタル・ユーティライネンは、今まさに特大のタンコブを乗っけて夜空を飛んでいるのだった。
「なあサーニャ。悪かったよ……だから機嫌なおしてくれっテ」
「………………」
「うぅ……さ、サーニャぁ……」
「………………」
夜間哨戒を開始してすでに一時間。終始この調子であり、そろそろエイラは涙目である。この間取り逃がしたネウロイが顕れる気配も一向になく、穏やかな(?)雰囲気のまま時間が過ぎていった。
(ほんとにエイラさんてサーニャさんにベッタリなんだなぁ……)
いっそ告白してしまえばいいのに、と思うのは、14歳という多感なお年頃の乙女ならではの思考回路であって、そもそも女所帯のウィッチ部隊では、そちら側の世界へと旅立つ人間も少なくないのだ。もちろん、和音は「自分はノーマル」であると自負している。
(今日は何事もなく終わりそうかな……)
夜間視の連続使用で疲れてきた目を擦りながら、和音はメモ帳に記録をつける。
と、その時だった。
「ん……?」
視界の隅に、何か一瞬煌めくようなものがあった。
遠距離視を発動させ、雲の切れ間を注視する。気のせいかと思って目を離しかけたその時、見間違えるはずもない赤い光が雲の合間を駆け抜けた。
「ネウロイ発見!! 距離3000! 雲の下にいます!!」
「なんだっテ!?」
「魔導針に反応はないのに……!」
三人の間に一気に緊張が走り、サーニャが魔導針に反応がないことを訝しむ。
(まさか、ステルス能力?)
あり得ない話ではない。が、もしそれが本当ならば、夜間戦におけるアドバンテージは完全に向こう側に渡ってしまう。魔導針が頼れない以上、目視による戦闘に切り替えるしかないが、それでは和音以外の二人が大きく不利になってしまう。
「相手はステルス能力持ちかも知れません。注意してください!!」
「クソ、隠れてないで出で来い!!」
いらだちと共にMG42を乱射するエイラ。しかし、中空に残影を刻む曳光弾は雲を貫くばかりでまるで手ごたえがない。
「ダメ、私には感知できないわ」
「そんな……サーニャさんでも無理だなんて……」
こと索敵能力にかけては501部隊でもサーニャは他の追従を許さない。
にもかかわらず、ネウロイ一匹探知できない。予想以上の強敵だった。
「サーニャさん、あの雲に向けてフリーガーハマーをありったけ撃ち込んでください。ネウロイをおびき出します!!」
「わかったわ。エイラ、沖田さんをお願い」
言うが早いかサーニャは雲に向けてロケット砲弾を容赦なく撃ち込む。凄まじい爆炎が辺りを照らし、視界を遮る雲を吹き飛ばす。その途端、遮蔽物を失ったネウロイが飛び出て来た。
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