第三十五話 少年期Q
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はエイカに勉強を教えることで復習できるからさ」
「……ぜってぇ、抜かす」
俺もエイカにだけは、なんか抜かされたくない。最初は算数だけの勉強会だったが、勉強関連で学校のことを色々話すようになって、他の教科のことで俺に知識で負けたのがよほど悔しかったらしい。それからは他の教科も合わせながら勉強し、エイカはメキメキと力をつけていった。
今では学校のことを話すことにそれほど抵抗はない。同じ勉強をするという共通点ができたこと。そこから話を繋げやすくなった。魔法の授業の話は特に盛り上がった。先生から「防御魔法を突破するにはどんな方法があるでしょう」って問題が出されたので、アリシアが「リニスのパンチです!」と真顔で答えて何故か固まった先生の顔とか。
その後に「その証拠映像ありますけど」と言った俺に、少年Bから「これ以上燃料投下するな!」と何故か怒られた話もした。リニスってどれだけやばいやつなんだ…、とエイカが途中から話を聞いてくれてなかったけど。ちなみにエイカのトリップは、背中に箒突っ込んだら戻ってきてくれました。
「そういえば、魔法はどんな感じなんだ。そろそろ防御魔法ぐらいは習ったのか」
「エイカって魔法の話好きだよね。夏休み中、俺の魔法の教科書勝手に借パクしていったし」
「俺にもリンカーコアがあるってあのデバイスが言っていたからな」
自分には魔力がある、そのことをエイカは誰よりも喜んでいた。最初は俺もそれを伝えたコーラルもそんなにも喜んでくれるなら、と微笑ましく祝福できた。だけど、その気持ちは少しずつ疑問へと変わっていった。純粋に魔法が使えることへの喜び。それなら俺にもわかる。だけどエイカは、たぶん違う。
「エイカは、やっぱり魔法を使いたいのか?」
「当たり前だろ。魔法が使えるのなら俺だって……強くなれるんだ」
グッと拳を握り、うっすらと笑う友人に俺はどこかで怖いという思いがあった。魔法を使えば強くなれる。そのことは間違いではないし、強くなりたいと思うことは不思議じゃない。だから、この思いがただの杞憂であればいい。そうであってほしいと思う。
「……そっか。あぁ、習った魔法の話だっけ。一応、この前バリアジャケットがようやく完成してさ。それからちょっとだけだけど、母さんに魔法を見てもらえるようになったんだ」
「バリアジャケットって、前にお前が考えていたやつか」
「うん、ちきゅうやの常連客のお姉さんと一緒に色々考えたんだ。今度お礼しにいかないとなー。色は黒と俺の魔方陣の色と同じ藍色を使った感じのセイクリッドタイプ。サブとしてプロフェッサーとしての能力もサポートできるようには組んであるんだ」
「セイクリッド? プロフェッサー?」
初めて聞いた単語に訝しげな表情を作るエイカ。これバリアジャケット
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