第三十五話 少年期Q
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ぞれの地域の特徴とかわかるか」
俺からの追加質問にエイカは目をつぶり、今までの学習を思い出しているのかシンキングタイムとなった。考え事をするエイカの指が3本立っているから、おそらく3つの地域はわかるが残り2つがなかなか思い出せないという感じか。一緒に勉強を始めてそれなりになるから癖とかも大体わかってきた。
「エイカ。とりあえず、まずはわかっている範囲で答えてもらっていいか」
「……あぁ。まずは俺たちが住んでいる中央区間。首都クラナガンがあり、時空管理局の本部があるミッドで最も発達した場所。次にミッドチルダ北部は聖王教会があり、その信徒やベルカに由来する者たちが多く住む宗教関係の強い場所。そしてミッドチルダ西部は他世界からの移住者やミッドに出稼ぎに行く人たちが住む、住宅地のような所が多い場所」
「おぉ、さすが」
3つとも完答だな、よく特徴を覚えている。もう少しアバウトな感じで答えが返って来るかと思っていたけど、かなり詳しく概要も話してくれた。エイカって記憶力は悪くないんだよな。暗記系の問題とかすらすらできるから。ただ、なんでも丸暗記しようとするところがある。それだと、覚えきるのはちょっと大変だぞ。
「くそっ、あと2つ…」
「東側は地形に特徴があって、あと今度新しい事業も開始される。南側は管理局関連があって―――」
「あっ!」
俺からのヒントにバッと顔を上げ、思い出した答えをまたすらすらと答えてくれた。それもしっかり合っていたので、俺は笑みを浮かべる。ただ俺の言葉できっかけを掴めたからか、エイカはちょっと悔しそう。十分よくできていると思うが、ここで慰めるのは逆効果なので、次の問題を出すことにした。
「じゃあ次、1+9+3は?」
「は?」
「1+9+3」
「え、13」
「残念、答えは一休さ―――あいてッ!」
間違えたからってやつあたりは禁止だー。
『アル坊はどうしたいんだ』
『俺がどうしたい?』
学校が始まって2ヶ月ぐらい経った頃に、俺はちきゅうやの店主に相談をしていた。学校が始まったことで、以前に比べてエイカと会える回数は減ってしまった。一応みんなで遊ぶときは必ず声をかけるし、俺からちきゅうやに遊びに行ったりすることで会うことはできる。でも、学校についてあまり話せない分、やはり会話の内容も減ってしまっていた。
なぜなんだろう? そんな疑問がいくつも浮かぶのに、それを相手に向かって口にすることができない。口が悪くて、ツッコミ体質で、花に詳しくて、負けず嫌いで、面白くて……そんな情報ならいくらでも出てくるのに。なのに、俺はエイカのことを全然知らない。
では聞くべきなんだろうか。知らないなら知ろうと思うことは間違いではないだろう。そんな風に何度も思ったけど、結局俺
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