第三十五話 少年期Q
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ない。これは去年の秋にやっていたから見れたけど、たくさんのシスターさんたちを間近で見られた貴重な体験だ。
「あのシスターさんたちはよかったよな」
「少年Cよ。ナチュラルに話に入ってきたけど、その言葉に肯定したら俺の中の何かが失われる気がするのでスルーするぞ」
「男なんだから正直になれよ。あっ、そうだ。夏祭りには俺の師匠が店を出すからみんなも来てくれよな」
少年Cの師匠? 初めて聞いた話に俺は頭の中に疑問符が浮かぶ。周りを見回してみても俺と同じような反応はいないみたいだ。アリシアも知っていそうだから、俺が聞き逃していただけか?
「なぁ、少年C。その師匠さんって誰のことだ? 俺の知っている人?」
「誰って、前に遊んだ時に紹介……そういえばあの時アルヴィンっていなかったか」
「そういえば、お兄ちゃんいなかった気がする」
「え、いなかったっけ」
「……あれ?」
「ほら、アルヴィンってどこにでも現れそうな気がするし」
「あぁ、じゃあ勘違いしても仕方がないか」
よーし、お前ら。後で覚悟してろよ。油断してる背中に氷転移してやる。
「いいなぁ、アルヴィン。いないのに存在感あって」
少年Aからボソッとつぶやく声が聞こえた。……とりあえず、聞こえなかったふりをした。
******
あの後少年Cに説明をしてもらい、夏祭りはみんなで賑わおうと約束した。話が終わったから、「せっかくだからアイス持ってくるな」と俺は笑顔で一言声をかけて、どさくさで氷転移させて阿鼻叫喚にしてやった午前が終わった。
それから昼食後はどうするかという話になったが、俺は行くところがあるからとやんわり断っておいた。思えばこんな風に、俺だけ抜けることがちょこちょこあったから師匠さんの話とか聞けなかったのだろう。みんなに不思議そうにされたが、個人的な用事があると言って内容は言っていない。
俺が主に抜ける理由は3つ。1つ目は地上部隊に用事がある場合。管理局と関わりがあることを大っぴらにするつもりはないからだ。絶対に隠さないとダメだと言うほどでもないが、説明がめんどくさい。本当のことは話せないのだし、嘘をつくぐらいなら黙秘するしかないだろう。
2つ目は無限書庫で調べ物をする場合。たぶんこの理由で抜けることが一番多い。夏休みを使えば、長い時間集中して作業をすることができる。まだまだ拙い検索魔法だけど、少しずつ出力も上がってきている。この場所も説明がめんどくさいので黙秘権を行使することになった。
そして、最後の3つ目が今日の午後の用事に当てはまる。
「それでは問題です。俺たちの住むこのミッドチルダは、全部でいくつの地域に分けられているでしょう?」
「……確か5つだったか」
「正解。ちなみにそれ
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