暁 〜小説投稿サイト〜
少女1人>リリカルマジカル
第三十五話 少年期Q
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いいぞ、少年E。でも食べ過ぎて俺より大きくならないようにな」
「……うん?」

 俺たちが騒いでいる中、黙々と宿題に取り組んでいた少年E。こいつほとんどしゃべらないからな。しかもちんまりしているから余計に。でもそのコンパクトさに今は癒された。お礼にお菓子をやるとおいしそうに食べてくれました。



「みんな宿題が一区切りついたところで、レッツ休憩ターイム!」
「アルヴィンはさっきからずっと休憩していたじゃないか」

 そういう少年Bもアリシアとずっと駄弁っていただろうが。先ほどまで並べていた勉強道具は片づけられ、みんなで床にごろごろしている。つまり盛大に暇なのだ。

「健全な小学生7人が集まってやることが、雑魚寝とはこれいかに」
「否定はしないけど。じゃあ、何か話題とかある?」
「お、じゃあ夏らしく怖い話でもしないか。昔どっかで聞いたんだけど、ミッドチルダの海の底には謎の海底洞窟があるらしいんだ。そこには封印されたはずの古代ベルカ時代の亡霊が夜な夜な血を求めてさまよ―――」
「ピギャーー!」

 妹が暴走した。みんなで少年Cに黙祷をささげた。

「夏と言えば、もうすぐクラナガンで夏祭りが行われるよね」
「そういえばもうそんな時期になるのか」
「……出店いっぱい」
「え、ミッドってちゃんと行事らしいものがあったんだ」

 ランディを除く男連中の会話に興味を持つ。去年のこの時期は、管理局の保護施設の中で暮らしていたから、外の情報がほとんど入ってこなかった。詳しく聞いてみたら、どうやら地球でやっている夏祭りと同じような感じらしい。それは普通に楽しみだ。

「アルヴィン、ちゃんとした行事ってどういう意味? ミッドにはしっかり行事があるじゃない」
「メェーちゃん、違うんだよ。俺は地球でやっているような、みんなで騒げるやつがいいんだ。日本のクリスマスとかお正月とか節分とかバレンタインとか…」
「初めて聞いたよ、そんな行事」
「た、他世界の行事なんてよく覚えているわね」

 少年Aの感心した声と、メェーちゃんからは知識で負けた……、って感じの若干落ち込んだ声が聞こえた。アリシアがいい子いい子、と頭を撫でて慰めている。

 しかし、ミッドチルダの行事って淡泊なのが多いんだよな。5月にはゴールデンウィークっぽい3連休があるけど、あれは『新暦記念日』の休みだし。日本で8月になると戦争のことが話されるように、この3日間は古代ベルカ戦争の歴史についてやそこで亡くなった方達を悼む感じだな。一応新しい歴史の始まりとして祝うこともあるが、正直ハメ外して騒いじゃ駄目な雰囲気がある。

 他にも『聖誕祭』とかいう聖王様の誕生日を祝うお祭りがあるけど、あれもしんみりと粛々に行われているからな。聖王教会主催だから、本気度が半端
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ