第三十五話 少年期Q
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に知識を集めるのが好きなんだなとわかる。彼女の話を素直に聞けるのは、デバイスを作っている時の父さんと同じように、その目がキラキラ輝いているからだろう。
そして俺からの賛辞に頬を赤く染めて「あうあう」言っているのが面白い。めっちゃ新鮮な反応である。メェーちゃんは真っ直ぐに褒められると照れるようで、謙遜してしまうらしい。女の子組は褒めた時の反応がそれぞれ違うからちょっと楽しい。
「というか、なんでアルヴィンはそこまで終わっているんだよ。お前は俺の仲間だと思っていたのに…」
「ははは。残念だったな、ランディ改め少年C。俺が持つ人生の経験値の方が高かったというわけだ」
「俺の方が誕生日は早いはずなんだが」
納得いかないように唇をとがらせる友人に、俺は笑顔でガンバレー、と応援を送っておく。理数は確かに苦手だが、さすがに初等部1年生の勉強でつまずく訳にはいかない。なにより経験は本当に役に立つ。異世界の生き物や生活など、みんなと同じスタートの学習はあるが、俺の場合勉強の仕方を知っているからな。教科書の見方や辞書の引き方はわかっているし、問題の出されやすい傾向に当たりもつけられる。
なにより勉強が面白いのだ。地球にはなかった教科に、その傾向が特に強く出る。あとは社会人になったら、学生時代にもっと勉強したり、遊んでおけばよかったって大抵後悔した。だから後悔しないように、俺は積極的に取り組むと決めているのだ。
……だってこういう姿勢で頑張らないと、理数なんて特に手をつけようなんて本気で思わないからな。うん。
「誕生日といえば、アルヴィンとアリシアってこの前7歳になったんだよね」
「うん! 家族みんなでクラナガンの海にお出かけに行ったんだ」
「へぇー、海かー」
少年Bの言うとおり、俺とアリシアは少し前にめでたく7歳になった。そういえば、昔どこかで『女は7の倍数、男は8の倍数』が人生の節目だと聞いたことがある。つまり妹は今年身長が伸びたり、考え方に変化があるかもしれないということか。男の成長ってなんで遅いんだ。
横目で妹の身長と俺の身長を見比べる。7歳じゃまだそこまで大きな差はお互いにない。でも、少女Dはぐんぐん伸びたからな。今では友人の中で一番背が高い。次に高いのは少年Aになる。さっき話していた3人がその後に続き、俺とアリシアという順番だ。やばい、このままだと俺が一番下になる可能性が!?
これは無限書庫で対策を講じるべきか、とちょっと焦ってしまった。だがふと目に映ったものに気づいて、その焦りは俺の中から消えていった。あぁ、そうだ。大丈夫、俺はまだやれる。伸びの運動とカルシウムは取っておこうと誓いながら、俺はすぐ傍にある棚に入っていたお菓子を手に取った。
「……! お菓子」
「うん、食って
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