暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜時を越えたデスゲーム〜
第十一話
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
ザワ、とボス部屋のがどよめく。
ボスの攻撃たった1回で、5人ものプレイヤーが消えていった。
恐怖を感じるなと言う方が難しいだろう。

「うそ・・・そんな、酷い・・・・」
「これが・・・・二刀流の・・・試練・・・・」

二人の言葉は、周りの絶叫にかき消されていく。
でも、ここでアキトが二刀流を取らなければ、"75層"でこの世界を終わらせることは困難。
未来を知っている彼が、二刀流を取るべきなのだ。
でも。
でも、これは、酷すぎた。
気を抜いたのでも、ふざけたのでもない。
ただ単純に、ボスが強かっただけの話。

「これ以上・・・・・」
「死なせて・・・・・」
「「たまるかあああああっ!!」」

叫び、カズネとアキトは狂ったかのように剣を振りかぶった。
バーチカル・アーク、シャープネイル、ホリゾンタル・スクエア。
アヴォーヴ、スター・スプラッシュ、ガドラプル・ペイン。
目にも留まらぬ速さで、二人は必死に攻撃を続ける。
思考が加速される。
ボスの動きさえもゆっくりに見える。

そう・・・・

今だ!!


目を合わせたわけでも、打ち合わせをしたわけでもないけれど、アキトとカズネは同時に高く跳躍する。

そして空中から突き落とすかのように。

「「はああああああ!!!」」

アキトはヴォーパル・ストライク
カズネは、シューティング・スターを放った。

その光りにはっとしたかのように、周りのプレイヤーも攻撃を始める。
ようやく、元のペースを取り戻してきた。
でも、ボスのスピードは速くなるばかり。
それに対応できるのも、極わずかなプレイヤーだけになってきた。
その中に含まれるのは、もちろんカズネとアキト。
大本命はアキトだが、カズネだって巻ける気は全くない。

「・・・れで・・・・終わり、だあああああっ!!!」

アキトが貫くような叫びを上げ、巻き添えを喰らうまいとカズネが軽く後退する。
アキトはソードスキル、サベージ・フルクラムを・・・

放った。

ボスがポリゴンとなって散った。同時に、アキトの剣、シー・オブ・ジェイドが耐久値を全損させてポリゴンと化す。
変わりに、ストレージに新しい剣の存在。


フェアリー・レイニー。

雨降りの妖精。

色は深い蒼で、ずしりと重たい。
アキトが新たな相棒を確かめていると。

「オツカレー、アキト〜」

どこか疲れたような、妹の声。

「お前も、な。な、見てこれ」
「新しい剣?」
「ああ。えーっと、フェアリー・レイニー」
「雨降りの妖精?」
「そんな感じ」
「へぇ、綺麗・・・つくづくボスドロップに恵まれてるね」
「確かに」

二人はふと、笑いを引っ込めて周りをぐるりと見渡す。

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ