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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十話 夜間飛行@
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るように意識を向け、和音は夜間視能力を発動させた。塗り潰したような暗闇をも見通す夜間視は、遠距離視と併用することで無類の索敵能力を発揮する。
反面、魔力の消耗も含めた負担が大きいため、使いどころを選ぶ必要がる。
「待って、これは……雲の中? ……上がってくるわ、上昇して!!」
「ついて来い、沖田!!」
「はい!!」
サーニャの警告から間を置かずして、茫漠と広がる銀灰色の雲が裂ける。
その中から現れたのは、まるでエイのような形をしたネウロイだった。平たい体で滑るように飛行し、見る間に距離を詰めてくる。
「私が引きつけるから、沖田は援護、サーニャがとどめを刺してくれ」
「了解です!」
「エイラ、気をつけて」
三人の中で最も火力が高いのは、9連装のロケット砲――『フリーガーハマー』をもつサーニャだ。中型クラスの相手ならばこの火力を活かさない手はない。
エイラの指示通り、和音はエイラの二番機に入り、サーニャは距離をとって一撃の機会をうかがう。
「行くぞ!!」
エイラの号令一下、一斉に銃撃を開始する。
しかし、ネウロイはそれに気を取られた様子もなく前進し、反撃のビームを放ってくる。
「こ、このッ!!」
見た目に似合わず機動が素早く、なかなか有効打を与えられない。
ようやく足を鈍らせたときには、すでに二人とも残弾が半分近くになっていた。
「サーニャ!!」
「あたって!!」
その隙を見逃さず、サーニャがロケット砲を打ち込む。
雲の向こうで盛大な爆炎が上がり、それっきりネウロイの反応は消失した。
「やったじゃないかサーニャ!!」
「……ううん。まだ、微かにだけどネウロイの反応が残ってた。逃がしたのかもしれない……」
「ということは、再び戦闘になる可能性も?」
取り逃がしたネウロイが再び襲ってくる可能性は高い。
ひょっとすると、今回のネウロイは偵察だったのではないだろうか? しかし、追撃を掛けようにも魔法力と残弾が心もとない。一抹の不安を滲ませつつ、三人は基地へと進路を向けたのだった。
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