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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十話 夜間飛行@
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いては組む相手を含めて美緒と相談中よ。問題は別の事なの」
「……? どういうことだ、ミーナ」

 訝しげな顔つきになったバルクホルンがミーナに訊く。

「ここのところ、不自然にネウロイの襲撃が少ないわ。監視網にもまるでかかっていない。何かある気がしない?」
「たしかに、言われてみればそうかもしれないな」

 奇妙な話だが、ネウロイの襲撃にはある一定のパターンがある。
 これが個体差によるものなのか、それともネウロイ全体の修正なのかは研究者の間でも意見が分かれているが、戦場ではこれらの周期を計算することでネウロイの襲撃予測を立てている。がしかし、ここのところロマーニャでは不自然に襲撃が少ないのである。無論、敵が来ないのはいいことなのだが、不気味なまでの静けさに一抹の不安が残る。

「特に警戒すべきは夜間ね。私たちの行動は大きく制限されてしまうもの。そこで、サーニャさんとエイラさんに夜間哨戒の頻度を上げてもらっているのだけれど……」
「なるほど、それにも限界があると言う事か。どうりで登場割に悩んでいるわけだ」

 夜間哨戒とは、文字通り夜間に飛行して基地周辺の警戒を行う事を言う。暗闇の中を少人数で、しかも長時間飛行する夜間哨戒は、通常のウィッチではなく、専門的な技能や訓練を積んだウィッチが担当することになる。が、如何せん数が少ないので負担が重くなりがちだ。

「それでね、私は沖田さんを夜間哨戒に参加させてみようと思うの」
「本気か? まだレシプロユニットだって数えるほどしか触っていないんだぞ? 確かに直接戦闘の機会は少ないかもしれないが、夜間哨戒は危険すぎる」

 いきなりの夜間哨戒を危険視するバルクホルンに、ミーナは手を振って言った。

「ところがそうでもないらしいの」
「どういう事だ?」
「沖田さんの固有魔法――魔眼≠ヘ、遠距離視と夜間視の複合型。聞いたところだと、速成ではあるものの夜間飛行の訓練も受けたそうよ」

 感知系魔法の一種に区分される「魔眼」の能力も、個々人によって大きく隔たりがある。
 例えば坂本美緒の場合、遠距離の対象を見ることは勿論、ネウロイ内部のコアを視認するなど、透視能力じみた側面も持ち合わせる。
 対して和音の場合は、時に鷹の眼≠ニも評される精度を誇る遠距離視と、夜間でも物体を視認可能な夜間視の能力の複合型だ。
 つまり、能力的な面で言えば、和音には夜間飛行が可能なのである。

「それに、彼女の空戦技術は美緒のお墨付きよ。どう?」

 折しも模擬戦は中盤に差し掛かり、今まさに和音がリーネを撃墜したところであった。
 普段は対装甲ライフルによる狙撃役に徹しているところを、敢えて機銃で戦うというハンデを負っていたにしろ、空戦でリーネを撃墜してみせたのだ。なかなかどうして
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