第77話 反撃の狼煙!集え、スーパーロボット軍団
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のは得策とはいえなかった。
悔しいが、一時撤退する他ない。悔しさに心が押し潰されそうになった。
「甲児さん?」
「くそっ、此処は一旦下がるぞ! 今の俺達じゃどうする事も出来ねぇ!」
歯が折れる位なまでに噛み締める思いで、甲児は操縦桿を動かした。Zはウルトラ警備隊本部から背を向けてその場から遠ざかった。砲撃の届かない場所まで。追撃のない場所まで。
その間、終始ゴーゴン大公の勝ち誇った笑い声が響いたのは言うまでもなかった。
Zが着地したのはウルトラ警備隊本部からかなり離れた森林地帯であった。其処にZを隠し、甲児達は降りた。
「くそっ、侵略同盟めぇ!」
怒りを隠そうともせず、甲児は手近な木に拳を叩き付けていた。相手が戦力を出して襲い掛かってきたのならば叩き潰せば良いだけの話だ。だが、かつての仲間達が相手では手出しが出来ない。
しかし、このままにしておく訳にはいかない。何とかして彼等を解放しなければならないのだ。
「これから、どうしましょう?」
「難しいな。Zで内部に殴りこむにしたって、そんな事をしたら奴等の事だ、きっと施設を爆破しかねない。そうなったら元も子もねぇ」
恐らく、あのゴーゴン大公の事だ。ウルトラ警備隊の殆どの施設を掌握しているに違いない。
無論、基地を放棄する為の自爆装置の類もきっと知ってる筈だ。迂闊に手出しが出来ない状態なのだ。
突如、何所からともなくギターの音色が聞こえてきた。何所か儚げで、そして悲しげな曲だった。
「ギターの音色?」
「この曲……もしかして!」
なのははこの曲に聞き覚えがあった。そして、この曲を弾く人物の事も。
「よ、また会ったな」
「早川さん!」
現れたのは早川健であった。神出鬼没が似合う色男を自称する私立探偵である。
「早川? 知り合いなのか、なのは」
「うん、前にこの人に助けて貰った事があるんです」
「ふぅん」
甲児は再度早川を見た。黒いジャケットとズボン、それにウェスタンハットに身を固め、白いマフラーとギターを持っている。明らかにキザったらしい姿だと一目出来る。
一体この男が何の用だと言うのか?
「ウルトラ警備隊が奴等の手に落ちたそうだな?」
「あんた、知ってたのか?」
「当然だ、伊達に私立探偵をやってる訳じゃねぇんだぜ。俺の情報力は日本一だからな」
口調も全てがキザの塊にも思える。が、突っかかるのは止めにした。今此処で突っかかったって何も解決しないのだから。
「早川さん、また私達に力を貸して貰えますか?」
「勿論、世の悪党を野放しにしてたんじゃこの早川健の名が泣くからな」
「つってもよぉ、あんた一人が加わったってどうにもならない状況なんだぜ?」
甲児がそう突っかかった。すると、早川はまるで嘆き悲しむかの様に目元
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