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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick22_どうしてこうなった
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あわつき まあや)さんですの」

黒のロングヘアの少女もお辞儀をした。

「そしてこちらが「あの、御坂様でして?」」

白井の声は遮られた。

湾内が目を輝かせて御坂を見ている。
興奮しすぎてプール底に立っている御坂に近づくために、手を地面につけて
プールサイドから身を乗り出している。

「え、そうだけど」

「やっぱり!

 覚えてらっしゃいませんか? 繁華街で乱暴な殿方に囲まれたときに
 御坂様に助けていただいて」

「あ〜そんなこともあったっけ?」

「その節は本当にお世話になりました」

湾内が四つん這いの姿勢で頭を下げた。

上から目線(プールサイドだから御坂達より高い位置)の土下座というシュールな図に
なっている。

「さすがお姉様ですわ!」

「それで二人はどうしてここに?」

「はい、わたくし達は水泳部ですのでタンクの点検を」

「一年生の役割ですので。点検後に先生に点検簿を出しに行くんです」

湾内の言葉を泡浮が受け継いだ。

「あ、あの、もしよろしければお手伝いさせていただけませんか?
 わたくしの能力、水流操作系なんです。きっとお役に立てると思います」

湾内が御坂に申し出てきた。

「でも、そんな」

「いえ、せめてものお礼ですわ」

「それじゃ、甘えさせて貰おうかな」

「はい! では早速先生に点検簿を」


張り切って立ち上がった湾内。

だが急に動かした手は滑って体がプールの中へと傾いた。
そして頭から落ちていく。

「え?」

「「「湾内さん!」」」

プールサイドにいる泡浮が手を伸ばすが間に合わない。

プール底にいても少し離れた白井と御坂の位置では受け止めることもできない。


大声を聞いて振り向いた信乃が見たのは、プールサイドから落ちていく少女。

瞬時に助けようとしたが、御坂たちよりもさらに離れていた。

走っても間に合わない。いや、走ることすらできない。

足元は濡れていて踏ん張りが利かず、≪走る≫速度になる前に彼女は
頭を打つだろう。

(それなら・・)

意識を集中させ、目を碧色に変える。

手に持っている道具を捨て、両手のひらを腰の位置で後ろに向けた。


そして、思い切り手を後ろに突き出した。

発生したのは突風。

信乃の後ろの方に向かって風が生まれた。

グラビトン事件で防御したのと同じ、空気と空気の境界線に触れて発生させる、風。

そして信乃はその風の後方に放ち、反動を利用して彼女へ高速で向かう。

先程までは邪魔でしかなかった足場の水が、信乃を加速させるA・Tの代わりとなる。



白井、御坂、泡浮の3人は湾内が
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