第九章 双月の舞踏会
第一話 朝食会
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?」
セイバーの問いに答えることなく、
「それで、わたしも事情を聞いてもいい―――」
ティファニアは目を少し細めロングビルへと話しかけた。
「―――マチルダ姉さん?」
「「「「マチルダ―――」」」」
その場にいる者の視線が一斉にロングビルへ向かい。
「「「「姉さん?」」」」
困惑の声を上げた。
「えっと……どういことミス・ロングビル?」
困惑を浮かべたルイズがロングビルに問いかける。
動揺。
戸惑い。
疑問。
様々な視線を向けられたロングビルは、小さく溜め息を吐くと困ったように額に手を当てた。
「ま、そうなるわよね。久しぶり、テファ。元気してた?」
「え、あ、うん。みんな元気だけど……でも。本当にどうしたの? 手紙ではいい仕事につけたって書いてあったけど。この人たちの護衛か何かがその仕事なの? 危険な仕事はしないって言ってたのに」
悪戯が見つかった子供が浮かべるような、誤魔化すような笑みを浮かべるロングビルに、ティファニアが腰に手を当て声を上げた。
「あ〜……違う違う。実はね、この子たちが通ってる魔法学園の学園長の秘書をやってるんだよ」
「えっうそっ! 学園長の秘書っ! すごいすごい! あれ? でも、ならどうして教えてくれなかったの? ずっとどんな仕事してるか聞いても教えてくれなくて心配してたのに」
「うっ、ま、その……」
きらきらと輝く純粋な目で問いかけてくるティファニアから逃げるように、ロングビルは苦虫を噛み潰したような顔を明後日の方向に向けた。
「で、いい加減教えてくれるかしら?」
が、その先には苛立ちを全く隠そうとしないルイズの姿が。
退路を絶たれたロングビルが、視線をうろうろと彷徨わせている間にも追求は続く。
「最近手紙を送ってくれないし、ずっと心配していたのよ」
「ねぇ、ミス・ロングビル。その子と知り合いみたいだけど、結局どういう関係なのよ」
が、しかしぽつりとティファニアが呟いた一言によってその流れが変わることになる。
「さっきからロングビルって呼ばれてるけど……姉さん何時から名前変えたの? あっ! もしかして結っ……あはは……」
「―――なに笑ってるんだい?」
「ね、姉さん目が怖い」
ティファニアの不容易すぎる発言により、風向きが変わり。
「この方がテファの姉ですか。話に聞いた通りの……いえ、それ以上の人ですね」
同じくポツリと呟かれたセイバーの余計な一言によって、変わった風向きは更に強くなる。
「テファ?」
「だ、だから目が怖いよ姉さん」
「テファが言っていた姉がまさかロングビルのこと
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