第九章 双月の舞踏会
第一話 朝食会
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、食事を止めるわけがありません」
「え? その、でも、流石にこの量を一人では……」
「―――問題ありません」
「そ、そう……」
チラリと未だ山を形成する料理を見下ろすルイズを、セイバーは口に箸を咥えながら威嚇するように睨み付ける。
餌を取り上げられるのを警戒する猫のような姿に、ルイズは助けを求めるように士郎に視線を向ける。静かに首を横に振る士郎の姿に、ルイズは溜め息を吐くとごろりと寝転がった。
「食事をとった後に直ぐ寝ると太―――」
「っ!?」
ぼそっと士郎が呟き羽起きるルイズ。
「っ、しょ、しょうがないじゃないっ! まだ全然疲れが取れてないんだもん……」
ぷくりと頬を膨らませたルイズが、いじけるようにそっぽを向く。
「ならシロウが教えてよ。この人って誰な……の、よ……うそ」
士郎から顔を逸らし、セイバーに指を突きつけたルイズの顔が驚愕に歪む。
視線の先には山盛りの料理を切り崩すセイバーの姿……ではなかった。
「料理が……なくなってる」
「信じられない」
「どんな胃袋をしてんだい」
「何で体型が変わってないのよ」
「……ああ、また食料の備蓄が……」
綺麗になった六枚の大皿を前に、口元をナプキンをフキフキと拭いているセイバーの姿を、ルイズたちは各々驚きの目で見つめている。
驚いていないのは、たった二人。
頭を抱え、泣きそうな顔をしているティファニアと、
「セイバー……どうだ?」
恐る恐ると問いかける士郎だった。
「……まあ、腹八分目と言いますし」
「「「「腹八分目ぇっ!!?」」」」
目を見開き悲鳴じみた声を上げるルイズたちを尻目に、士郎とセイバーは話しを続けている。
「それで、少しは機嫌を直してくれたか?」
「……元々機嫌は悪くありません」
「そ、そうか」
すまし顔のセイバーだったが、傍から見れば、明らかに機嫌は悪い。
腰の引けた姿を見せる士郎の姿に、セイバーは小さく溜め息を吐くと、ジロリと隅で固まるルイズたちを睨めつけた。
「それで、居間での話の続きですが」
「っな、何よ?」
「詳しい事情を聞かせてもらいましょうか」
「……何が聞きたいのよ」
セイバーの視線に圧力を感じたように、ルイズが座ったまま、じりっと後ろに下がる。
警戒も露わなルイズ。
セイバーは口を開くと、
「そう、ですね……まずは……その、そう、し、シロウとの関係を……」
頬を微かに赤く染め、先ほどとは違った歯切れの悪い口調で話し始めた。
「え? シロウとの関係? って何であなたにそんなことを教えなくちゃいけないのよ」
予想外の事を言われたため、一瞬ポカンとするルイズだったが、直ぐに何かに気付い
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