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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第九話 アドルフィーネ・ガランド
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沖田少尉」
「一つだけ、お願いがあります」
「――いいだろう、言ってみなさい」

 依然として鋭い眼光を向けたままガランドは言った。
 その瞳を正面から見据え、和音は大きく深呼吸してから大きな声で願いを口にする。

「どんな仕事でも引き受けます。だから、私をウィッチでいさせてくださいっ!!」

 ウィッチでいたい。誰かを守れる存在でいたい。それが、和音の本心だった。
 すると――

「あっはっはっはっは!! 合格だ、沖田少尉」
「えっ……?」
「うむ、さすがは扶桑のウィッチだな!」
「ふふっ、沖田さんらしい良い答えだわ」

 突然、痛いほどの緊張に包まれていた司令室に笑い声が弾けた。
 和音はわけがわからず慌てるばかりで、ようやく息をついたガランドがタネを明かす。

「いや、君を試すような真似をしてすまなかった。まあ座ってくれ」
「はぁ……」

 示されるまま椅子に座ると、ガランドは話し出した。

「君の処遇に関しての心配はいらない。既に坂本が手を回しているからね。だから君は、誰に何を憚ることもなく此処――第501統合戦闘航空団の一員として居ていいんだ」
「あ、ありがとうございます!!」
「今日私がここに来たのは、一つは君が信頼に足るかを確認するため。そしてもう一つがジェットストライカーについてだ」

 一旦言葉を切ったガランドの後を坂本が引き取って続ける。

「一応、お前の原隊は横須賀の海軍ウィッチ部隊にしておいた。そこから私と一緒に501に来たことになっている。痛くもない腹を探られることはないから安心しろ」

 どうやらすでに身元についての根回しは済んでいるようだった。
 残る懸案事項はジェットストライカーのみとなったが、今回の案件がどうもそれらしい。

「単刀直入に言おう。あの機体をカールスラントでテストさせてくれないか?」
「私のF-15を、ですか?」
「ああ。今後の開発に少しでも弾みをつけたいんだ」

 この提案に、和音は戸惑った。たしかに、機体のテストによって得られる情報があれば、開発に大きな弾みをつけることは可能だろう。しかし、そう簡単に渡してしまっていいモノなのかどうか。こと先端技術、それも未来の産物とあっては、利権や特権欲しさに飛びついてくる輩だって多い筈なのである。

「――知っての通り、欧州は激戦区だ。先立っての戦闘で504部隊が大きく被害した今では、501が欧州防衛に大きな役割を担っている。わたしは、使えるものならなんだって使いたいんだ」
「ガランド少将……」

 和音はしばし黙考する。この時代において、扶桑空軍の隊規や機密保持などの制約は全て意味を持たなくなってしまっているが、おいそれと渡すことはできない。理屈云々を抜きにしても、愛機を他人の手
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