暁 〜小説投稿サイト〜
Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第4話 白と黒の邂逅
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ノもなのはの無事を確かめると、葛葉に問いかけてきた。


「葛葉、ジュエルシードは?」

「あぁ……持ってかれた」

「持ってかれた!?誰に!?」

「さぁ?……そういえば、名前聞くの忘れてた」


これはうっかりしていた。
理由を聞くのに主観を置いていたため、名前を聞くのを忘れていた。
何処か投げ遣りな感じの葛葉にユーノが言葉を続ける。


「あれは危険な物なんだぞ!そんな適当なーーー」

「ユーノ……」


怒鳴る様に葛葉に食って掛かるユーノ。
それに対して、返す葛葉の声音は平坦。
刺すような視線でユーノを見る。
それを見て、ユーノが怯む様に言葉を詰まらせた。


「僕がここに来たのは、なのはを守る為だ。石ころの一つや二つどうでもいい。そもそも、お前は今まで何処で何をしていた?」

「それはーーー」

「どうせ、家にいたんだろ?小動物をつれ回すと目立つからな」

「ーーーーー」


葛葉の指摘が正しく、反論出来ないのか。
完全に沈黙するユーノ。
サポートすら満足に出来ない目の前の小動物に怒りを通り越して呆れ返る。
怒る事すら馬鹿馬鹿しくなった。


「まぁいい……だが、もし今度なのはに何かあったらーーー“殺す”ぞ?」

「っーーーーー!?」


今後の為に、脅しの意味としてユーノに殺気をぶつける。
葛葉から放たれた今までに感じた事のない殺意に気が遠くなりそうになりながらも、どうにか耐えきるユーノ。
身体を硬直させて動かない。
この程度、無様なものだが、本当の争いを知らない以上仕方ないだろう。
彼の一族は流浪の民みたいだが、本質は学者だ。
闘争と無縁で生きてきた事が会話していてよくわかる。


「今後は精々、なのはの盾役にでもなれ。補助役にはそれしか出来んだろう?」

「……はい」


葛葉の言葉に項垂れる仕草をするユーノ。
その姿を見て、多少溜飲が下がる。
なのはを地面に静かに横たえ、手を翳しながら言霊を呟く。


「ーーー『復元する原初の世界(ダ・カーポ・ゼロ)』ーーー」


横たわる身体の下に幾何学模様の蒼い魔法陣が浮かび上がる。
なのはの身体が、蒼き光に包まれ、先程まで負っていた怪我もバリアジャケットの損傷も跡形もなくなった。

「どうだ?レイジングハート。一応、君も損傷を受ける最善の状態まで戻したんだが」

《condition all green.Thank-you》

「どういたしまして」

レイジングハートからの礼に微笑み答える。
葛葉はなのはを地面から静かに起こし、おんぶすると歩き始めた。
背中で穏やかな寝息を立てる妹。


「帰ろうか?我が家に」

「うん!」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ