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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第4話 白と黒の邂逅
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ば、サクラを(こわ)す事は不可能。
葛葉と彼女を害せる存在はこの“世界”に存在しえない。
なのは達が使う魔法が何処までのモノかまだ情報がなく、判断がつかないが……あらゆる戦術と戦略を破壊する人類を超越した存在たる『マホウツカイ』を打倒できるとは思えないのが本音だ。
葛葉が本腰を入れれば、直ぐにジュエルシードを集められるだろう。


(だけど……マスター。貴方は動かないんだよね?まだ“目的”を見いだせないから)


彼には、“生きる”目的が欠如している。
家族という枷を持つが故に、死を選ばないに過ぎない。

それが何と悲しいことかーーーー。
彼が今を生きている理由は“家族”を泣かせたくないから。
自分の為ではない。
家族と他人……自分以外の誰かの為に生きている。

だからだろうか?
願いを叶える宝石に関わろうとしないのは……。
まるで、写し鏡を見ているようで見ていたくないから。


(マスター…貴方の幸せは何処にあるのかな?)


葛葉の姿を後ろから見つめながら、そんな事を考えているとーーー。


「!?マスター!!」

「ーーーなに?」


サクラが急に大きな声を上げる。
焦ったような顔色で葛葉に語りかける。
一体どうしたのだろうか?


「この道沿いの先からジュエルシードの魔力の気配がするんだよ!?」

「何?」

「それに近くに、なのはちゃんの魔力と後一つ……同レベルの知らない魔力反応がーーー

「っ!?」

「あ!ま、マスター!?」


最初、眉を潜め、面倒そうな顔から一変。
弾かれた様に慌てて駆け出していく
瞬間魔力換装(フリューゲルブリッツ)』を使い、高速で移動する。
一瞬でサクラの目の前から掻き消えた。
サクラもまた、気配のする方へと走り出した。
後ろにいるサクラに目もくれず、疾走する。
まだ、未熟故に光速で移動する事は叶わないが、十分な速度。

サクラの報告の中の知らない魔力。
脳裏に浮かぶのは、金色の少女。
まさか、こんなに早く鉢合わせするとは……。
動揺を押し殺し、なのはの下へと急ぎ向かう。


「ーーー間に合えよーーー……!」


口から溢れた呟きは、移動の速さに消える……。
葛葉(マホウツカイ)(なのは)を助けるためーーー。

ーーー夕暮れの空の下を駆け抜けていく。









★★★★★



空に引かれる桜色と金色の光。
せめぎあう白と黒の人影。

金髪の少女がツインテールの綺麗な髪を靡かせ、無骨な形の斧を想わせるデバイスを華奢な体で振るう。
それを受け止める茶髪に同じくツインテールの少女。
降り下ろされるデバイスを、なのはは前方に魔方陣
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