第十話「仮面 ~rider~」
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うプレッシャーが千冬から発せられるが、一夏を含め非戦闘員である筈の束やクロエでさえ全く動じず無言で睨み返す。
「……まあ、いい。織斑が目を覚ます気配がない。アリーナの使用時間も限られている。よって、次の試合はお前とオルコットだ」
「了解しました」
先に折れたのは千冬で伝えることだけを伝えると、ピットから出て行った。
「ふむ。こんなものですか、世界最強は」
盗聴されていないことを確認したクロエは、落胆したことを隠すことなく吐露する。
「まあ、人間の常識の範疇なら最強だろうよ。ただまあ、最強であって無敵ではないからな。ところで、任せていいか?」
「ノープロブレムです、一夏様」
「くーちゃん、それ牙狼剣と一緒にテレポートさせちゃった仏像だから」
相変わらず見当違いの方角を向いて会話するクロエに苦笑しつつ、一夏はアリーナへ向かい、束達はピット内を先程とはうってつけたように視線を鋭くして見渡す。
「さてはて、意外なもんを差し向けるもんだね。そんなにお気に入りが傷つけられたのが、癪かい?」
「ここは、私一人で十分です」
〈ドライバー・オン!ナウ〉
虚空に睨む束の前に、クロエが左手の中指に琥珀色の宝石の原石のようにゴツゴツした指輪をはめる。
「変身!!」
手形のベルトが形を変えたドライバーの手形を左手から右手にシフトさせると、それに右手をかざす。
〈チェンジ!ナウ〉
魔法陣が現れ、それがクロエの体をすり抜けると、金の線が走る白いローブをまとい琥珀色のマスクを被り、両肩には指輪のような装飾が施された、さながら白い魔法使いのような姿へと変わった。
……GARUUUuuuuuu!!
クロエの姿が変わると同時に、部屋の角から・・・一メートルほどの大きさで半透明な犬であって犬でないような体躯の獣が現れる。
聴く者を発狂させるような不気味な唸り声でクロエを威嚇する。
「猟犬如きが、私に勝とうなんざ二万年早いぜ!!」
「いや、くーちゃん。それ、いっくんが牙狼剣を抜いた時に偶々斬って落ちた仏像の首だから」
「さあ、ショータイムです」
正体不明の犬に怯えた様子もないクロエのボケっぷりに束はツッコムが、気にした様子はなくクロエと犬と対峙する。
束はこんなので大丈夫だろうか、と不安になったが、大丈夫だ、問題ない、と結論を出して一歩下がる。
GURRRRRAAAAAAA!!
〈コネクト!ナウ〉
魔法陣からトーンホールの代わりに指輪がはまっているフルートのような槍を取り出し、この世ならざる犬と激突する。
―――同時刻、IS学園近海
「……えと、後でシメる。絶対に」
『やや、確かにその心情は分かるけど落ち着こうよ』
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