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IS《インフィニット・ストラトス》 〜死神の序曲〜
本編
教員の実力『後』
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主様もお元気そうでなりよりです」


私がそう挨拶を返すと主様が少し顔を歪めた。


「もう!クロちゃん、主様じゃなくてお兄ちゃんって呼んでっていったじゃん!」

「主様にそんな恐れ多いことできません。どうかお許しを」


お兄ちゃんなんて恐れ多いこと言えるわけなく、頭を下げて許しを請う。


「いや、怒ってるわけじゃないからそんなに悲しそうな顔をしないでよ」

「はい、申し訳ありません」


私がそう返すと「…堅いな〜、あい変わらず…」と主様はポツリと呟く。

私は主様が喋り出すのを大人しく待っていると主様がふと何かに気づいたような顔をして尋ねてきた。


「あれ?髪止め変わってるね?前は束があげた白兎さんの髪止めだったのに黒兎さんの髪止めに」

「はい、束様から新しくプレゼントして頂きました。前のも大切に取ってあります」


主様がそれに気付いてくれた、そう思うと少しにやけてしまった。

慌てて元に戻したが主様はバッチリ見ていたようで、少し笑っていた。


「クロちゃんも大分慣れてきたみたいで良かったよ。前はずっと仏頂面だったから少し心配してたんだよ?」

「心配をおかけして申し訳ありませんでした」

「だからそうじゃなくって〜!」


私は捨てられた存在。

だから感情は捨て去った。

そう割りきっていた筈ですが、束様や主様と話すと私は少し感情が溢れてくる。

捨て去った筈の感情ですが、束様や主様からその感情を思い出させてくれるとなると心の中が満たされてくるような変な感情に見舞われます。

決して嫌な感じではないこの感覚は何なんでしょうか?

そう考えながら主様と雑談に興じていたら主様が「さて、クロちゃんと話しているのは楽しいけどいい加減に本題に入ろうかな」とおっしゃったので気分を切り換える。


「クロちゃんにお願いなんだけど、束にコア(・・)の準備を急ぐように言っておいて。少なくとも夏休み前くらいが良いかな?」


コア。

その単語を聞いた私は顔をしかめそうになったが表情を崩さないようにそのまま対応する。


ダークネス(・・・・・)はまだ早いのではないかと思われますが?」

「まあ保険だよ。何かあったら困るからさ。いつでも使えるようにしておきたいんだ」

「…分かりました。お伝えしておきます」

「ありがとうねクロちゃん」

「いえ、お礼を言われることではございません」


私はそう言いきる。

正直に言うとコアを使うのは私は反対したい。

だが、主様の意向なので反対はしない。

主様が悩み抜いて考え出した結果に導き出されたのがダークネス。

そしてそれに必要不可欠なのがコアだ。
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