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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第九十六話】
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平らな胸だったのだが、それも今は無く、タオル越しとはいえシャルルの胸が俺の背中にその柔らかさを伝えると素直に身体が反応した。
「しゃ、シャルル――」
かろうじて保っていた理性が崩壊しかけるなか、俺はシャルルの名前を呼んだ――だが、それを遮るようにシャルルが言葉を口に出す。
「……ヒルトが、ここに居ろって――そう言ってくれたから。そんなヒルトがここに居るから――僕も同じ様にここに居たいと思えるんだよ」
「そう…か…」
――シャルルにとっては嬉しい事だったのかもしれない。
だが現状…問題を先送りにしてるだけという状況が俺の心を痛めた――。
人によっては三年間、考える時間があると思うだろう。
だが俺には、たったの三年間しかないとしか思えない。
自由国籍権が現状無理な状況だと、母さんが言ってた国際結婚でその国の国籍を取得ぐらいしかシャルルを助ける手立てがない。
――俺自身はフランス政府に身売りしてもいいのだが、それだと余計シャルルを傷付ける結果にしかならないという事実。
国際結婚にしても、シャルル自身が相手を好きになって、その相手もシャルルが好きにならないといけないし……。
結局、俺は遠回しでじわじわとシャルルを傷付けてるだけなのかもしれない。
もちろん、シャルル自身の思い全てを聞いた訳じゃなく、俺が勝手に心を痛めてるだけなのだが――だが、ちゃんと解決出来るように色々と調べてみようと改めて俺は思った。
そう結論付けていると、シャルルは更に言葉を続けていく。
「それに、ね。もう一つ決めたんだ」
「……?何を決めたんだ、シャルル?」
「ふふ。――僕の在り方だよ。――ヒルトが教えてくれたんだよ?」
「……いや、俺は何も教えてないさ。シャルルが――君自身が自分の在り方を決めたんだ。何かは知らないが――多分、俺はそのきっかけを作っただけなんだと思う」
事実、俺はきっかけしか作ってないと思う――。
その在り方を決めて、その道を進もうと決めたのはシャルル自身――自分で決めたのだから――どんな在り方かはわからないが。
「ふふ。でも――ヒルトが教えてくれたから。きっかけ何かじゃなく、ヒルト自身が僕の在り方を――その道へ導いてくれたんだよ…」
「……そうか、そう言ってくれるのはありがたいな」
「ふふ。――そ、それとねヒルト。一つ…お願い事があるんだけど…いいかな?」
遠慮がちに言うシャルルは、きゅっと軽く腕に力を入れるように――そして更に背中にむにっと押し付けるように抱き締めてきた。
「……ブランド物のバッグが欲しいとかは勘弁な?」
「そ、そんなこと言わないよっ!もぅ…バカヒル
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