第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第39話:大事に育てれば良いってもんじゃないッス
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よこの女!」
蹲り涙目で私達を見上げながら、事の不条理さを叫ぶシン。
「リュ、リューノ……大丈夫だから! シン君はアネイルの時から気付いていたから……今更噂を広めたりはしないって!」
「え゛……まぢ!?」
私は驚きの事実に、ウルフとシンを交互に見て尋ねる。
「リューノちゃんの態度があからさま過ぎて、他の皆さんに悟られないかが心配でしたよ!」
「いやだン……シンちゃんてば気配り上手! ごめ〜んね?」
私はマリーが良くやる様に、自らの頭を“コツン”と叩き、テヘぺろウインクで可愛く誤魔化す。
「可愛くねーよチキショウ……」
「何だとこの野郎!?」
だが鳩尾付近を擦りながら立ち上がったシンは、怒りも露わに暴言を吐く……この子がこんな事を言うなんて、相当ご立腹ね!
「まぁまぁまぁ……俺もシン君がこんなに察しが良いとは思わなかったし……俺達の知る『天空の勇者』は色恋事に疎いボウヤだから、彼と君を重ねて理解していたんだよ」
「どんな男だよ其奴は……?」
兄の事を少し悪く言われ、ちょっとだけイラッとくる私……
意外に私は家族が大好きなのだよ!
リューノSIDE END
(海上)
トルネコSIDE
朝一からの騒動が収束し、太陽が真上を通過した頃……
一人の男性と、二人の女性がそれぞれ異なった表情で甲板に登場する。
勿論、誰の事か説明は不要だろう。
大人しそうに思っていたミネアさんが、スッキリとした大人の顔で笑顔のリュカさんと腕を組んでいる。
余っているもう一本の腕には、難しい顔のマーニャさんが抱き付き溜息を吐いている。
心なしか彼女も大人になった様に見受けられる……
「どうでしたかリュカさん、姉妹どんぶりの感想は? モテる男は大変でスカラねぇ……」「うるせー馬鹿ウルフ! あっち行ってろアホ!」
ニヤニヤ近付くウルフさんに、勢いよく蹴りを入れるマーニャさん。
あの女性の性格からして、あんな事を言えば手痛い目に遭うのは当然だろうに……
「自ら『弟子』と公言するだけあって、リュカの奴にやり口が似ておる……あの“語尾スカラ”がのぉ」
呆れ状態の私に話しかけてきたのは、冒険当初からリュカさんと行動を共にしてきたブライさんでした。
やはり彼らはリュカさんの事を熟知しているのでしょうか? 出会って日の浅い私には、まだ理解するには難しい人だ……
「ブライさん……リュカさんとはどの様な方なのですか?」
私の計画には彼の財力が必要不可欠……
少しでも為人を理解し、心の隙間に入り込める様考えているのだが……ブライさんの表情が硬い。
「ウルフから聞いたのじゃが……お前さん、奴を取り込もうと考えてるんじゃってなぁ」
「い
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