一章 三話 とある殺人鬼は妖精と出会う
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ってくる。
だがその頃には、俺もソードスキル後の硬直から回復している。頭を狙ったその一撃を剣で受け流し、返す刀で胴を切り払う。
「なあ、何であんた等レッドじゃないの?」
後ろへ転がっていく男と入れ替わるように俺の前に出た第二の男が発動した片手剣四連撃”バーチカルスクエア”を横へ転がってかわす。
「まさか名前だけの腰抜けギルドとか」
「ふざけるなぁ!」
どうも勘に触ったらしいです。
体勢を立て直した第一の男と、第二の男の横から出てきた第三の男が同時に剣をふりかぶる。
「遅い」
片手剣六連撃”バーチカルタクティカル”
特大の威力と範囲を誇る俺のソードスキルが敏捷値の差で勝った。
六芒星の剣技は、第二の男にクリティカル。その体を消滅させた。第三の男にとっては、当たり所が良かったらしく、奴はまだHPを数ドット残している。
「うおおおお!」
レッドギルドにしてはまともな叫びをあげて、第一の男が突っ込んでくる。
片手剣単発技”レストブレード”
上段から放たれる、片手剣最高レベルの威力を誇るスキルだ。
が。
「当たんなきゃ意味ねえよ。」
軌道はバレバレ出だしも遅い。これで俺が避けられないわけがない。
大技をかわされた第一の男が、スキル後の硬直時間を課せられる。
動けない彼の背中から、しっかりと心臓を狙って放った再びの”ヴォーパルストライク”がHPを全損させる。
硬直がとけた俺は、恐怖からか座り込んだまま動けない第三の男の元へと歩を進める。
彼の首元に剣を押し当てて、聞いてみる。
「なあ、あんた等のギルドについて教えてくれるなら、命だけは助けてやる。」
最後まで言い終わらない内に、首を横に振られた。
試しに剣を更に深く食い込ませてみる。
ヒィ、と、かすれたこえをさせたが、口は開かない。
「じゃあいいや。・・・さようなら」
言って、剣をふりかぶる。それをまさに降り下ろそうとした、瞬間。
「ちょっと!何やってるの!?」
声のした方をふりかえる。
目に入ったのは、蒼。
全身を蒼で統一した少女が、そこにいた。
肩までかかる、これも蒼い髪、目は流石に蒼ではないが、大きく開いている。スッと通った鼻筋に、子供のように線の細い体。
美しいというよりはかわいいと言ったほうが正しいその少女を、俺は新聞で見たことがあった。
「・・・”蒼の妖精”フェイト」
それが、俺と妖精の、最悪といっていい出逢いだった。
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