第十七話
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に一般モンスターは来ない。
だが、ヘル・バーナーの方の叫びに手下召還効果があれば例外だ。
全てのダメージディーラーの背後に出現したようで……今、ヘル・バーナーに攻撃しているプレイヤーはいない。
「どけぇぇッ!」
つまり、今ヘル・バーナーが横を向いて炎を向いただけでダメージディーラーは全滅する。
せめてタゲをとろうとヘルソルジャーを瞬殺しようとするが、盾に阻まれ瞬殺とはいかない。
「チッ……!」
自然、剣に焦りがのった時……俺の前のヘルソルジャーを剣が貫いた。
その剣の持ち主は――ヒースクリフ。
しかし、彼の背後にはまだヘルソルジャーがいる為、ヒースクリフと言えども手こずっているようだ。
「はッ!」
代わりにヒースクリフの背後のヘルソルジャーをたたっ斬り、これで俺たちの足止めをしていたヘルソルジャーはいない。
「急ぐぞ、ショウキ君!」
「ああッ!」
ヘル・バーナーは、側面で足止めをくっているダメージディーラーより、自分に迫る俺たちを優先したのか、炎で俺たちを襲う。
だが、ヒースクリフには通じず、また、俺も攻撃が当たるスピードでは無かった。
炎を軽くいなしたまま、真紅と銀の剣閃が悪魔の顔面を切り裂く。
苦しむ悪魔を見て、やはり頭が弱点だと当てをつける。
最初の抜刀術《立待月》の時に、大幅にダメージを受けていたのは俺の目は見逃さなかった。
「よし、もう一撃――いや、ヒースクリフ! 横だ!」
横から迫る悪魔の、かぎ爪を有した腕が目に写り、ヒースクリフは神聖剣の盾で受け止め、俺は日本刀《銀ノ月》で受け止める。
日本刀――いや、カタナはそこまで耐久性の高い武器ではないが、この自分で鍛えた愛刀である《銀ノ月》はこの程度では破壊されない。
「……返すぞ!」
返す刀で腕を切り上げ、悪魔の腕から逃れて後ろに跳んで距離をとる。
弱点である顔面を見ると、ヒースクリフが自らのソードスキルを繰りだしていた。
これ幸いと、俺は銀ノ月を鞘に収め――
――こちらを向いて炎を放とうとするヘル・バーナーと目があった。
「抜刀術《十六夜》!」
ヘル・バーナーが炎を放つのと、俺が抜刀術《十六夜》を放つのは同時だった。
このままでは、俺は丸焼けになってしまうのだろう。
だが、炎と抜刀術《十六夜》の速度は違う。
「さっさとくたばれ……この悪魔がッ!」
《銀ノ月》による銀色の剣閃は、炎という形も無い物をも斬り払い、ヘル・バーナーの弱点を深々と袈裟切りに刻み込んだ。
最期は、悪魔に相応しい醜悪な断末魔と共に――ポリゴン片となってこの世界から消滅した。
チン、と金属音をたてて日本刀《銀ノ月》を鞘にしまう。
「ま
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