暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターンEX 真紅のロードを歩む龍
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かすると、このモンスターにも意志があるのかもしれない。ただの偶然と言ってしまえばそれまでだが、なんとなくユーノにはそんな気がした。

「俺はカードを2枚伏せる。これでターンエンドだ!」

 おそらくは、次のターンが正念場。ゼンマインの破壊耐性は優秀だが、それだって時間稼ぎに過ぎない。だが、もし何らかの手段でレッド・デーモンズ・ドラゴンが再び出てくるようなことがあれば自身の攻撃力と効果を合わせてわずか1ターンで突破されてしまう。ユーノは今のターンで、あの手札でできることはすべてやっておいた。あとは、富野の引きにすべてがかかっているのだ。

「俺のターン、ドロー!来たぜ来たぜ、死者蘇生を発動!俺の墓地からレッド・デーモンズ・ドラゴンを蘇生させてやる!」

 レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 よりにもよってこの場で富野が引いたカードは、デュエルモンスターズの豊富なカードプールにおいてもにおいても最高峰の蘇生カードである『死者蘇生』。この効果により完全蘇生された悪魔の竜が、再び夜空に吼える。だが、ユーノはあくまでも表情を崩さない。もっとも、富野の方もそんな暇は与えなかったのだが。

「さらに手札の速攻魔法、サイクロンを発動!さっきから鬱陶しかったバブル・ブリンガーはここでお別れだ!」

 このカードにはもう少し残っていて欲しかったな、とちょっと不安になるユーノ。だが、このおかげで伏せカードには手を付けられなかったんだから結果オーライだろう、と気持ちを切り替える。ユーノはただゼンマインを出して時間を稼ごうとしているのではない。待っているのだ。この伏せカードを使うことのできる状況を。

「レモンで攻撃して素材全部引っぺがして……スカレで破壊。ただ、それだとこのターン中にダメージ通んねーんだよなぁー。だから俺は、こういう手を使ってやるよ!最後の手札、地砕きを発動!このカードは相手の場で一番守備力の高いモンスターを破壊するカード、この効果でゼンマインの素材を一つ取り除いてやるぜ!」

 空から巨大な握りこぶしが振り下ろされ、ゼンマインを殴りつける。その一撃に耐えながら、ゼンマインはユーノに対してもう一度頷いて見せる。ユーノもそれに対して覚悟を決めたように頷き返し、口を開いた。

「俺はゼンマインの効果でオーバーレイユニットを………使わねえ!ゼンマインはこれで破壊だ!」
「何!?」

 富野にとって、その行動はまったくの想定外。破壊耐性を使わなかったことで、ゼンマインが握りこぶしに押しつぶされて地面にクモの巣状の亀裂が走る。防御が無駄と知り、自分の負けを認め大人しく覚悟を決めたのか。だが、そういうことではない。ユーノはまた笑って見せた。実際、このターンに起きたすべての行動は彼の想定内だったのだ。

「そしてゼンマイ
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