何の為の御剣か?
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に用があるから」
そう言い蓮華は去っていたのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
蓮華が去っていったのを見送ると桜華が呟いた。
「………何だか、悪い事をした気がするな」
「あなたがそう言っては、当主の意志を無碍にする事ですよ。桜華様」
「それもそうだね」
桜華は苦笑しながらそう言ったのであった。
その表情を暫らく見ていたシリウスはある疑問を口にする。
「―――ところで。何処でそれ程の呪力を手にしてきたんですか?」
自分が眠りに着く前、元主人の力は【魔神】と言われながらも人であった。神に近い呪力を持っていてもまだ人であったのだ。それが今では神と神殺しを超えて全盛期を上回ったのである。
「―――少しばかり、カンピオーネの一人『黒王子(ブラック・プリンス)』と呼ばれるアレクサンドル・ガスコインと協力して、『聖杯』の持ち主を追っていてね。呪力は『聖杯』から失敬した」
『聖杯』_それは膨大な呪力を秘めており、その総量はかなりの物で、こぼれる量だけでカンピオーネ数十人分の呪力を有しているのである。
「少しの隙を作って、『聖杯』の中に入って、少し幾つかの細工と呪力を貰ったんだよ」
本来なら所有者にしかそんな事は出来ない。しかし、それが出来るからこそ桜華は【魔神】と呼ばれ、畏れられ、崇められ、祀られたのだ。魔の神として。
「……『聖杯』の持ち主_《神祖》にして、『魔女王』グィネヴィアですか」
「……そしてその傍にいた最源流の《鋼》も居たよ」
「…最悪ですね」
昔に色々とあったシリウスは顔を顰めていた。如何せんアレは面倒な《鋼》なのだ。最強の《鋼》と共に戦場を歩いていたあの英雄は。
「―――そちらは私のほうで対処すれば何とかしますか」
「ああ、お願いね。今頼めるのは君しかいないからね」
「鈍っていますがね」
「それでも頼むよ、殺神鬼(カラミティ・モンスター)」
「随分と懐かしい異名を出しますね」
言われた本人は苦笑しながら表情を曇らせていった。それは過去の罪だ。歴史上一人で殺してきた数はシリウスが一番なのだから。
「さて、あの二人の約束は六年後。その前に色々と教えておかないといけないからね。………僕の方は持って一年かな?」
この後、二人はワインを片手に色々とつまみ飲食していくのであった。
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