何の為の御剣か?
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静寂が部屋に満ちた。
蓮華はその静寂の中どうするかを考えていた。
この目の前にいる桜華という人間はその悲劇を回避したいがために全てを捧げた。
視て、知って、どうにかしたいと願った。しかし自分では力が足りないと思った。たとえ神殺しに成ったとしても、自分は死ぬ。なら、自分を超える逸材に全てを託そうと思った。その未来を必死に探した。そして見つけた。それが俺_御剣蓮華だ。
その為の時間、その為の御剣。何時か来る破滅に対する俺か。
………はぁ。千年という時間を掛けているし、アテナも知ってて遣っていたし。ここで、受けないという選択は無いな。それに楽しそうだしな。
こういう思考をしている時点で御剣に染まっており、更には神殺しの性質まで加わっており、化学反応が起きていることを彼は後に知るのだが、それは先の話である。
「―――どっちにしろ戦う事になるんだろうから良いか」
何時か戦うことは決まっている様なものだし、なら乗ったほうが面白そうだ。
「良いのかい?」
桜華は確認の意を込めて聞いてくる。
「良いさ」
「――……死ぬかもしてないんだよ。最強の《鋼》と戦っても死ぬかもしれないし、その前に死ぬかもしれ
ない。それでもかい?」
それは最後の確認。これで決まるのは蓮華の人生である。
神殺しは天寿を全う出来て死んだ者は稀であり、中々居ないと義母さんに聞いた。戦いに明け暮れて
いればそうなるだろうね。俺もそうなる道を通るんだろうし。というか、乗った時点で天寿を全うできるかかなり怪しい。
まあ、刺激には困らない人生に成るから生きることには飽きなくて楽しいだろう。
「確かにそうだ。けど、俺が『王』になった時点で、何時かその《鋼》と戦うのは目に見えている。なら、家の―――あんたの願いをついでに叶えるさ」
「……他の神と戦って死ぬかも知れないのに?」
「ああ、それもあるね。けど俺は後六年は確実に生きるさ。―――アテナと戦うって約束したから」
自分の全てを見せてもいないのに、アテナと戦う前に死ねない。
だから、現時点で打てる手は全て打って置く。自分に足りないものを、組み込んでいくように。自分の全ての才を高めるように。
「―――でさ、桜華とシリウスの異能と魔術と技術の全てを教えてくんね。その全てを自分のものにするからさ」
長い時を生きている【魔神】と呼ばれ畏れられた魔術師と元人間の化物。この二人の培って来たものは、此処にいる『王』を更に成長させる。
「……それが君の選んだ選択なのなら教えるよ」
「私も教えましょう」
「……ありがとね。じゃあ、俺はアテナ
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