何の為の御剣か?
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のか』とね。そして、そこから異能を鍛え始めたんだよ。様々な可能性を視る為にね」
魔術を極め終えており、そこから異能を極め始め、僅か一年で極めた。年単位から秒単位の未来、その全てを視れるようになった。
そして様々な未来を視た。しかし無限に等しい数在る未来を視ていき、絶望していった。その全てが過程は違えど結果が同じになるという最悪な未来――全てが終わった未来であった。
それでも何か一つの可能性が在るんじゃないか? けど、その全ては結局終わりだ。という二つの思いが存在した桜華は最後の一回として未来を視る事にした。
「一時は自分が王になろうかと思ったけど、僕は生粋の魔術師だ。近接戦なんか出来なかったからね。止めたんだよ」
そして最後の一回で見つけたのだ。無限に近い有限の未来から見つけた可能性を。刀を振るい、戦っている存在を。その名を。
そこから桜華の行動は早かった。その者が自分の子孫である事を知った桜華は様々な事をした。その過程で何故かしら美人である三人にいつの間にか包囲網を敷かれており、娶ることになっていたのだがそれは良いだろう。いや、良くないけど。まあ、桜華の人生の中では幸せ絶頂と同時に罪悪感が存在したのだが。
生まれた子供を鍛え、育て、戦いの中に置き、成長を促進させ、次へと繋がせていく。そして、その繰り返し。武芸の出来る者や異能者の血を取り込んでいき、純化させていった。そして、その間に《鋼》が起きるような事態を避けるために可能性を潰しまわり、神を封じてきたりもした。
その繰り返しの過程で極稀に人という枠組みから外れた存在も生まれた。その内の一人である泉華がアテナを地に着けたときは驚いたものだ。そこから約定を結ばせて、そこから先は繰り返し。そしてその中からベクトルは違えど枠から外れた存在が人相手に飽きて神相手に賭け事を吹っ掛けた時は焦ったものだ。まあ、それは置いておくとして、数多の実力者達の血筋と神格化した者の血を取り込んでいき、生まれたのが――
「御剣家現当主_御剣蓮華。君だよ」
人にとって長い千年の年月を掛けて生まれ、逸脱者である者を超え、御剣の全てを得た原石。戦いの神であるアテナが育て上げた結果。それが御剣千年の集大成である《御剣蓮華》である。
ただ、その最強の《鋼》に対する対抗策として。
「……成程。だから謝った訳か」
それは最早、人の在り方でなく兵器としての在り方。人生の強要と言ってもいい。その未来にいた人物に全てを押し付ける。それはその人物の可能性を潰すような事である。
「ああ。これは僕が始めたエゴ。人という存在の終わりを防ぎたくて、自分の子孫である蓮華君を捧げたんだよ」
「…………さいですか」
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