十六話
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「……そういえば、茶々丸が言っていたが神楽坂明日菜とぼーやがデートをしていたそうだぞ?」
「それで?」
おそらく、原作のイベントか何かだろう。他にも何かあった気がするが、気にかけている余裕は無い。俺は今日、一つの壁を乗り越えなければいけないのだから。
(神楽坂明日菜の名を出しても揺らがんか……覚悟は確かなようだな。しかし一体……)
「何をするつもりだ?」
「何、見ていれば分かる。君はただ……」
――私が死なない様にしていてくれればいい
俺の体から鈍い音と共に鮮血が飛び散り、辺りを赤く染め上げた。
「あれ?」
「どうしたんですか?」
「んー、何でもないわ」
今、何か聞こえた様な……?
「それよりアンタ、こんなに予定ぎゅうぎゅうにしちゃってほんとに大丈夫なの?」
「ああー!! そ、そうでした!」
「ネギ君大変やなー」
後先考えずに予定をどんどん入れるなんて、こういう所を見るとやっぱりガキよね。健二や高畑先生をちょっとは見習いなさいっての。
「あ、そうだ。アスナさんも、頑張ってくださいね」
「わ、わかってるわよ! ちょっと出てくる」
携帯を片手に外へと飛び出す。今から、高畑先生に、約束を取り付けるのだ。このかや刹那さん、そしてネギも応援してくれた。ここでしっかりしなきゃ、申し訳ないにも程がある。
「………………」
携帯を操作し、アドレス帳を開く。ゆっくり、ゆっくりとページをめくっていき、ある人物の場所で手を止めた。
「健二……最近連絡無いけど、また無茶してるんじゃないでしょうね?」
ヘルマンとかいう悪魔が襲来してから徐々に連絡が減って行った友人。実はこの間のエヴァちゃんちで会ったのも、結構久しぶりだった。そして、その日から今日まで連絡はきていない。学際準備で忙しいのかと此方から連絡するのを控えていたが、丁度いいかもしれない。決して、高畑先生にかけるのをビビっているわけじゃない!
「……出ないじゃない」
プルル、プルルと呼び出し音が鳴り響くものの一向に相手が出る気配は無い。やはり、学園祭の準備か何かで忙しいのだろうか? それとも、また無茶を……
「あー、もう! 考えたってしかたないじゃない!」
健二の事を振りきり今度こそ高畑先生に電話をかける。先ほどの健二の時と同じようにプルル、プルルと呼び出し音が鳴り響く。先生は、誘いを受けてくれるだろうか? そんな不安が頭の中でグルグル渦を巻く。
[もしもし、アスナ君かい?]
「は、はい!」
[何かようかな?]
「あ、あの! 高畑先生の学園祭の予定は……」
結果だけ言えば、高畑は明日菜の誘いを了承した。よって、明日
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