十六話
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改造黒鍵射ってやろうじゃないか!
「こっのおおおおおおお!」
「ああああああああああ!」
エミヤの弓とエヴァンジェリンの魔力。その二つがせめぎ合い、衝突する。正に伝説と伝説のぶつかり合い。片や世界の奴隷となった守護者、もう一方は自ら悪を名乗る生きた伝説。二つの力は正に互角。この戦いはいつまでも続く、かと思ったんだけどなぁ……
「あーあ、時間切れか」
「良く粘った、と褒めてやろう」
長い時を経てその力を手に入れたエヴァンジェリンと所詮借りているような俺とではどちらが先にへばるか分かり切っていた。エヴァンジェリンと戦い始めた時から戦いの歌をMAX近い出力で維持していた俺はここでガス欠。一応強化の魔術だけで頑張ってみたが、あっという間に追いたてられた。
「では、逝け」
俺は弓を持つ左腕を、容赦なく斬り飛ばされた。
「すまんすまん、心配かけたな」
「本当よ! 心臓に悪いったらありゃしなわよ!」
「マスターも! どんな修行をつけてるんですか!」
あの後、エヴァンジェリンの持つポーションで腕をくっつけてもらったわけだが、そこでやってきたのは明日菜とネギのよるお説教だった。相当心配だったらしく、三十分たった今でも終わる気配がない。
「ええい、五月蠅い! 大体、何でお前たちはここにいるんだ! 不法侵入だぞ!」
「鍵を開けっ放しにしてるそっちが悪いんでしょ!」
明日菜から解放された。エヴァンジェリンには悪いが、相手をしといてもらおう。明日菜相手だと強く出れないからな。
「健二さんも反省してください。僕も明日菜さんも本当に心配したんですから」
「ああ、でもエヴァンジェリンにはあんまり言わないでやってくれるか? 手加減なしで模擬戦してくれって言ったのは俺の方だからさ」
「分かりました。でもこんなことはこれっきりにしてくだいね!」
「ああ……」
今日は不意を突くやり方だったとはいえエヴァンジェリンに傷を負わせた。俺はちゃんと成長できているんだろうか? 明日菜達には悪いが、エヴァンジェリンとの模擬戦はこれからも頻繁に行うつもりだ。
学園祭までの時間はあまりにも短いのだから……
「それで、私にこんなものを用意させて何をしようと言うんだ。言っとくが、もうぼーや達にぐだぐだ言われるのはごめんだぞ? うるさいったらありゃしない」
エヴァンジェリンの足元に無数に置かれている瓶。俺が今日のために用意してもらった回復用の魔法薬だ。これを使って、前から考えていたある事を行うつもりだ。
「君に何かを頼むのはこれが最後だ。報酬も、きちんと用意してある」
「ほう……この私を満足させられるものなんだろうな?」
「当然だ」
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