十六話
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つ。
避けに入っていたエヴァンジェリンはそれを爪で弾こうとするが、俺はそれに穂先を強引に合わせた。
「っち、それがその槍の能力か」
爪の硬質化のために集めていた魔力を断ち切られ、二の腕にかすり傷を負ったエヴァンジェリンが言う。顔を狙ったんだがなぁ……
「さて、これは私の落ち度か貴様の成長か。どちらにせよ、私に傷をつけたんだ……」
――ただで済むと思うなよ?
エヴァンジェリンの瞳が、反転して……!?
「こっちだ」
「!?」
脇腹で抉るような掌が突き刺さる。つーかやべぇ、魔力の集中が間に合ってなかったらようなじゃ済まなかったぞ。それにしてもまさか怒るとは、まいったねこりゃ。万に一つも勝ち目無し。一体どうしろと?
「考え事とは余裕だな」
今度は正面かよ! 一応、センリガンで補足はしたため混乱はない。無駄だと思いつつも修行……そう”修行”であるため俺は嫌々槍を突く。だが、ほれみろ。槍は容易くエヴァンジェリンに掴み取られ、俺は……
「飛べ」
「っおおおおおおお!」
槍ごと数十メートルブッ飛ばされた。地面と”水平”にだ。途中に障害物がなくて心底よかったと思う。あーあ、こんなことになるなら模擬戦を依頼するんじゃなかったな。ここ数日、とことんいたぶられてるしなぁ。今日はそんなかでも最高にヤバい。
あれだよ、技量はチャチャゼロのが高くてもパワーとスピードはエヴァンジェリンの方が上だとか思い至らなければ良かった。
「くくく、もうかかってこないのか? 折角この私が相手ヲシテヤッテルトイウノニ」
わーお、さすが主従ってとこか。そっくりだな。一応ランサー戦を想定してたんだけど、もう意味ないなこりゃ。こうなったら、こっちも……
「全力で抵抗してやる」
――投影、開始!
ランサーには通用しないと投影していなかった弓を手に、狙いをエヴァンジェリンへと定める。さて、こっちではどれだけつうようするかな?
「相変わらずいい腕だな!」
「容易く弾いておいて何を言う!」
矢を弾きながら接近するエヴァンジェリンと後退しながら矢を射る俺と言う分かりやすい構図。だが、スピードに圧倒的な差があるため距離は詰まっていくばかりだ。くっそ、このまま終わってたまるか!
「大盤振る舞いだ!」
黒鍵による銃弾爆撃、二十七本の全投影連続層射だ。
「こざかしいわ!」
って嘘! 腕振りまわした衝撃だけで吹き飛ばされた! めっちゃ本気じゃないか!
「大人げないぞ!」
「っぐ! 年上をいたわらん奴に言われたくないわ!」
改造黒鍵を射ってやったが、かわされた。だが、あっちもさすがに必死だったみたいだな。声にさっきまでの余裕が無くなってる。こうなったら、今から全部
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