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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第三十一話
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「戦士らも随伴させる」
「ですが……」
「道は険しいですぞ。それに周辺の様子なども……」
そう言って長老は伊丹に説明すると、伊丹は申しでを受ける事にした。
「では明日の朝に……」
「恐縮です。荷物運びなんてさせて……」
「なあに、炎龍退治の場に居合わせたいと思う者がこれ程に集まったのです。何か仕事の一つでも言いつけてやりませんと拗ねかねませんぞ」
長老達はそう言う。ちなみに日本軍の作戦は炎龍の住み処に八百キロ陸用爆弾や五百キロ陸用爆弾を爆薬と共に多数設置して炎龍が住み処に戻ると爆破して吹っ飛ばす『い号作戦』と海軍航空隊がテュバ山を爆撃して炎龍を住み処から外に出してそこを砲兵隊が一斉射撃をして吹っ飛ばす『ろ号作戦』があった。
しかし、い号作戦は現実的に不可能だろうと思案していた。まず爆弾をどうやって住み処まで運ぶかだ。
例え、爆弾を設置して爆破しても火山が噴火する可能性もあったのだ。
「……確実に考えればろ号作戦だが……」
「その分、犠牲はありますがね」
「戦に犠牲があるのは必然的だよ」
伊丹は栗山にそう言った。そして翌日、加茂大佐率いる本隊が到着した。
「おぉ、これだけの人数が……」
集結した部隊に長老達に笑みが溢れた。
「カモ大佐とやら。我等のダークエルフも九人、参加します」
選ばれたのはヤオを含めた九人である。
「お心使い感謝します。全員出撃するッ!!」
そして第三偵察隊と合流した炎龍討伐隊はテュバ山へと向かった。
テュバ山へは四日の夜半に到着した。加茂大佐は辺りを見渡す。
「……硫黄の臭いがするな。やはり火山か」
そして航空機の爆音が響いてきた。零戦二七機、一式陸攻九機が飛来してきたのだ。
一式陸攻九機は高度千でテュバ山へと侵入して爆撃を開始した。
投下される爆弾は火山を考慮して六十キロ陸用爆弾であるがそれでも威力はある。
「ち、海軍め。仕事が早すぎるぞ。戦闘用意だッ!!」
加茂大佐はそう命令して砲兵隊が慌てて射撃準備に入る。火山の上空二千で零戦隊が警戒飛行をしている。
「……いないのか?」
零戦のパイロットがそう呟いた時、黒煙の中から炎龍が飛び出してきた。
「炎龍出現ッ!!」
そして炎龍はそのまま近場にいた零戦に火炎を吐いた。
「ウワァァァァァァァーーーッ!!!」
零戦パイロットは炎に包まれ、零戦が爆発四散するのであった。
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