十五話
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ンリガンの透視能力を発動する。そして、俺の頭は真っ白になった。なぜ、ここに……と。
「…………」
第三者が現れたことを良しとしないのか、フェイトは水を使ったゲートで早々にその姿を消す。だが、今の俺にはそれすら気にすることが出来ない。何故、何故だ……何故!
「この世界にいる! ランサー! いや、クー・フーリン!」
俺の、センリガンに映る男。それは、青の皮鎧に身を包む青髪紅眼の長身の男。アイルランドの光の御子、クランの猛犬ことクー・フーリンその人だった。
「確かに声は発したが、遮蔽物で姿は見えないはずなんだがな……」
自分の事がバレているのがよっぽど意外だったのか、頭の中がこんがらがっている此方を余所に軽い口調を伴って俺の前に男は姿を現した。
「!?」
やはり何処をどうみても、Fate/stay nightで登場するランサーのサーヴァント、クー・フーリンだ。
「何故、お前がここにいる」
「さぁ、何でだろうな」
ケラケラと笑ってごまかすランサーに何か違和感を覚える。何か、変だ。
「お前、ランサー……クー・フーリンか?」
疑問は声と成って、何時の間にか口から発せられていた。それにランサーは、心底うれしそうに笑みを浮かべ……
「ああ、そうだよ。お前と違って、俺はクー・フーリンそのものだ」
「なん……まさか、お前!」
「ああ、そうだよ! お前と一緒だ!」
何ということだ。俺の他にも、この世界に来ていた者がいた!?
「とはいっても、この世界に来たのは数日前だけどな。だけど、ようやくだ。ようやく、お前に接触できた」
俺に、接触? それではまるで、アイツの目的が俺である様な……
「ずっと、ずっと見てきた。お前がこの世界に降り立ったその時から!」
「見ていた、だと?」
「そうだ、そうなんだよ! 中途半端に力を得たお前を! 中途半端に原作に関わるお前を! 原作をより良い方向へと導こうとしなかったお前を! ずっと見てきたんだ! 苛立ちの連続だったさ、俺ならああする。俺ならこうできたとな!」
応えることはできない。確かに俺は中途半端だ。だが、これだけは否定する。
「確かに、原作をよりよい道へ導こうと思ったことはある。だが、彼女達は自分の意思で道を選んでるんだ!」
「それが何だと言うんだ! たとえそれが自分の意志だとしても、許容すればいいのか!」
アイツの言うことも間違ってはいないのだろう。ただ、俺は……そうすることはできなかった。明日菜に、原作と同じ明日菜に俺はどうしようもなく惚れてしまった。原作を大きく変えるのは、惚れた彼女を変えてしまう気がして……
「お前がいた所で、原作は変わらん。良くも悪くもな。これからは
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