十五話
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圧倒されている。それも当然。修学旅行の時とは違い、俺はここに一人なのだから。
数十秒、沈黙が続くがようやくフェイトが口を開いた。
「やはり、君自身は脅威ではないようだ」
「!?」
原作でのヘルマンの目的は確かネギが脅威成り得るかだとかそんな感じだったはずだ。それを俺にも、フェイト自身が行いに来たのか!
「だが、君の能力は話が別だ。あの時の剣……あれは危険だ」
ゆっくりと、こちらへとフェイトが歩み寄ってくる。自然と、槍を握る手に力が籠もる。雨が降っているというのに、体は熱く全身から汗をかいている。
「その槍も、何だか嫌な気配を感じる。だから……」
フェイトの姿が突然ブレる。瞬動……それもかなり完成度が高い!
「君には何もさせないよ」
背後へと槍を一閃! 真横に流れた槍はフェイトの屈強な魔法障壁に衝突し、弾かれる。
「お、おおおぉぉぉおおおお!!」
戦いの歌の出力を引き上げすぐさま槍を手元に引き寄せる。フェイトの手が暗い輝きを放っている。もしやこれは!
――石化の……
「っだあああぁあぁああ!」
槍をかなぐり捨てて後ろへ飛ぶ。それと同時に障壁も張って少しでも奴の魔法を防ぐ。
――邪眼!
石化の煙があたり一体に散布する。障壁と風の魔法を駆使して何とか逃げ道を確保する。だが、これはあちらの誘導!
「何もさせないと言ったはずだ」
逃げ道の先で待ちうけるフェイト。だが、お前がそこにいることはセンリガンで把握していた!
――投影、開始!
石化の煙から逃げながらも脳裏に描いた設計図、それを顕現させる。それは、ゲイ・ボルクとは異なる紅い槍。その名を……
「破魔の紅薔薇!!」
あらゆる魔力の循環を遮断する事が可能で、対象に刃が触れた瞬間その魔術的効果をキャンセルする能力を持つ槍はフェイトの障壁をなんなく貫きその身ヘ迫る。
「くっ!」
さすがにこれには驚いたのか、フェイトはすぐさま距離をとる。俺の突きの速度では、まだフェイトクラスの奴には届かない! 悔しがる暇はない。あの障壁を破る手立てはできたが、それでも彼我の実力差は圧倒的だ。
「こないのなら此方から行くぞ」
実力が圧倒的に劣るこの状況で、待ちに徹するなどそういうスタイルでもない限り愚かだ。ならば、相手に動きが無い今の内に打って出るしかない。槍の握りを確認し、瞬動で今まさに踏み込もうとしたその瞬間……
「悪いが、ちっと邪魔するぜ」
「!?」
「!?」
驚きは二つ、俺とフェイトのものだ。ということは、この声の主はフェイトの仲間ではないと言うことだ。増援がいる等と言う更なるイレギュラーがないことに内心ほっとしながらも、セ
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