第9話 眠れる森の美少女だそうですよ?
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。
そうして、
「一応、妖樹どもが森の奥にウチらを招き入れたがっていたから、それに従って此方に進んでいるだけなんやけどな」
かなり自信のなさげな口調で、一同を代表するかのようにそう答える白猫のタマ。その口調は、先ほどリューヴェルトに対して動くな、と伝えて来た時と比べると全く別人の口調で有る事は間違いない。
しかし、それはもしかすると、
「明確な目的地もなく、森の奥に向かって進んでいると言う事なのですか?」
そう聞き返すリューヴェルト。口調としてはやや呆れた口調。
但し、その偶然に因って自らの生命が救われただけに、あまり、強く問い掛ける事が出来ないのも事実。
まして、ここでこの道を辿って、森の奥に向かって進む事が正しいのかどうかを確認する為に上空に飛び上がるのは、再び蟲に襲われる事と成る可能性が高くなるので……。
しかし、
「大丈夫ですよ」
涼やかなる鈴の音と共に、ハクの自信に満ちた台詞が聞こえて来た。
そして、
「今、私たちは龍脈の流れを逆に辿って進んで居ます。この龍脈に従って進んで行けば、間違いなく北から南へと流れる龍脈の龍穴に辿り着きます」
確かに、美月やハクの目的はこの森の中心に存在する龍穴から四方に伸びる龍脈を使って、陰気に染まった龍脈から、正常な状態の龍脈へと置き換える、と言う目的で行動していると言っていた。
それならば、現在、進んでいる道に沿って龍脈が存在しているのならば、ハクの言うように、遠からず龍穴に到着する可能性は高い。
其処を起点として、其処から四方に伸びる龍脈を辿り、東西南北の龍穴を利用して龍脈の調整を行えば、目的の通り、正常な龍脈へと置き換える事は可能か。
まして其処に至る前。龍脈の調整と言う、かなりの難易度を持つ作業を行う前に彼女らは森の古老と呼ばれる存在との交渉を行う事により、この企ての助力を得ようとしているようなので、本当にそのような存在が居るのならばこのギフトゲームはクリア出来る可能性が高い。
それに、この少女たちは、確かに森に侵入する前には妖樹に襲われたとは言ったが、現在は何モノにも邪魔をされるような気配もない。
この状況が既に、森を支配する何モノかに招き寄せられている状態だと考える事も可能だとリューヴェルトには思われた。
但し、それならば……。
「先ほど言っていた。妖樹と蟲は、それぞれを支配する存在が違うと言って居ましたが、それはもしかすると、森が元通り、人間と共生出来る自然と成る事を望まない存在が居る可能性も有ると言う事なのではないですか?」
足を止め、振り返ってからハクと名乗った少女を見つめた後に、そう問い掛けるリューヴェルト。
確かに、現在の状況。この森の奥に進む道が作り出され
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