第9話 眠れる森の美少女だそうですよ?
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って進みながら。
「また、と言う事は、以前にも、同じようなギフトゲームを行った事が有ると言う事なのですか?」
そしてこちらは、つい一時間前までは蟲の毒に犯され、意識を失い生死の境界線上を彷徨って居たとは思えないような、しっかりとした足取りで同じように森の奥に進むリューヴェルト。
おそらく、彼自身の魔力の素質が高く、そして、美月たちの治療が早かった事により、消耗した魔力が少なかった事が幸いしたのでしょう。
尚、美月の抱える荷物を持つ事を申し出たリューヴェルトでしたが、それは美月に因ってやんわりと断られて仕舞って居ました。
何でも、この荷物は彼女に取ってかなり大切な宝物で有り、他人に預ける事など絶対に出来ない物だと言う理由で。
「昨日は、そのギフトゲームに巻き込まれて、黄泉の国の入り口にまで連れて行かれたからなぁ」
美月の足元を、その身体に相応しい足取りで進む白猫……。美月によりタマと紹介された猫が、彼女独特のイントネーションを持つ口調でそう答えた。
確かに猫が人語を解したり、話したりするような異常事態が目の前で進展しているのだが、これも、この箱庭世界ではそう不思議な事ではないので、驚くには値しない出来事。
まして、神仙と関係が深い世界で有る以上、黄泉の国などがギフトゲームに関わって来たとしても、可能性としては有り得る、……と理解して置いた方が良い。
そう、納得するリューヴェルト。少なくとも、自らがこの箱庭世界にやって来た現象自体に神が関係している以上、それ以外に何が起きたとしても不思議ではない。
「それでは、みなさんもこのギフトゲームの参加者と言う事なのですか」
それに、昨日、黄泉の国の入り口で行われたギフトゲームに参加したのなら、次の日に死の森と呼ばれる危険な森で開かれるゲームに参加させられたとしても不思議ではない。そうリューヴェルトは考えていた。
「一応、そのギアスロールなら、この森に入ったトコロで受け取ったんだけどねぇ」
リューヴェルトの五歩先を進む美月がそう答えた。
但し、その声音には少し……。いや、かなり大きな不安が潜んでいるのをリューヴェルトは感じて居た。
確かに、このけもの道に顕われる事は無かったが、それでも、リューヴェルトがこの森による手荒な歓迎を受けたのは事実。まして、美月たちも、この森の入り口で妖樹たちの歓迎を受けたと言う事は語っていましたから……。
「あの御老人が何を考えて居るか妾にも判りませんが、少なくとも、絶対にクリア出来ない、と言う類のゲームを開催する御方では有りません」
しかし、そんな美月の不安を払拭するような台詞を口にする、このメンバーの中ではリューヴェルトに次ぐ年齢だと思われる黒髪の美女、白娘子と
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