外伝
外伝1:フェイト編
第4話:ヤクト・レーベン
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見る。
「時間があったら、ちょっと付き合ってもらえませんか?」
「あ、模擬戦ですね。いいですよ」
「ありがとうございます。では行きましょうか」
ゲオルグとクリーグの2人は並んで通路を歩いていく。
訓練スペースに着くと、2人は10メートルほどの距離を置いて向かい合う。
「それじゃあ、行くよ。レーベン」
《はい、マスター》
ゲオルグはレーベンをセットアップし、騎士甲冑を身に纏う。
対するクリーグも彼自身のデバイスを構えていた。
「まずは軽く打ち合いをお願いします」
「わかりました。いつでもどうぞ」
ゲオルグは自分の魔力を纏わせたレーベンを構えて腰を落とす。
そして、クリーグの方に向けて跳ぶと空中で腰をひねってレーベンを後ろに引く。
床に着地しそのエネルギーを吸収するべく膝を曲げたあと、
その全身に貯め込んだポテンシャルを解放するように、レーベンを振りぬいた。
”ギィン”という甲高い音が訓練スペースの中に響く。
その残響の中でゲオルグとクリーグは鍔迫り合いの体勢で互いの目線を合わせる。
「なにが軽く打ち合いですか。 初撃から本気じゃないですか」
「すいません。 少し力がこもってしまいました」
2人は口元に笑みを浮かべながら言うのだが、目は真剣そのもので
額にはわずかに血管が浮いている。早い話、本気なのである。
お互いに一旦力を緩め元の位置に帰ると、揃ってほっと一息つく。
「一撃で決めに来ちゃ意味ないですよ。テストなんですから」
「そうですよね。ミッド式の魔法も使ってみないといけませんし」
「じゃあ、中距離戦でいきますか? 俺は防ぐだけになってしまいますけど」
「悪いですけど、そうしましょう。 じゃあ、行きますよ」
「了解です」
クリーグが頷くと、ゲオルグはレーベンに声をかける。
「レーベン、メッサーレーゲンだよ」
《はい、マスター》
レーベンが返事をするとその身にゲオルグの魔力を纏う。
ゲオルグはその場でレーベンを振り上げるとそのまま振り下ろし、
レーベンが纏っていた魔力はいくつもの刃となってクリーグへと襲いかかった。
(わっ、やりすぎちゃった!)
思っていたよりも多くの刃が飛んでしまい、ゲオルグは慌てる。
クリーグは必死で刃の雨をかわそうとするがかわしきれずに被弾し、
訓練スペースの硬い床に膝をつく。
ゲオルグはクリーグの側に駆け寄ると、その肩を掴んで揺さぶった。
「大丈夫ですか!?」
「非殺傷設定なんだから大丈夫ですよ。 安心してください」
「よかった・・・。でも、すいません。加減を失敗してしまいました」
ゲオルグはそう言うと肩を落としてうなだれる。
その肩に何
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