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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第4話:ヤクト・レーベン
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何するんですか!?」

「やかましい、早くしろ」

ステラの表情に恐れをなしたゲオルグは、おとなしくデバイスに自分をマスターと
認証させるための手続きを始める。

「マスター認証、ゲオルグ・シュミット。 魔法種別は近代ベルカとミッドの
 ハイブリッド。デバイス名称は ”ヤクト・レーベン”」

ゲオルグの足元に広がる魔法陣が輝きを増す。

「ヤクト・レーベン。 セットアップ!」

ゲオルグの全身が光に包まれる。
光が収まると、先ほどまで着ていた制服とはうって変わり、
紺色を主体とした騎士甲冑を身にまとったゲオルグが立っていた。
その右手にはわずかに弧を描いた刀剣が握られている。

「騎士甲冑は変わらないんですね。 なんか、変わった気がしませんよ」

《それは、マスターが以前使われていたデバイスから移植したからです》

「なるほど、そういうことですか・・・って、誰ですか!?」

聞きなれない声にゲオルグはキョロキョロと部屋の中を見回す。

「バカかお前は。お前のデバイスに決まってるだろうが」

「えっ、じゃあさっきの声が」

《はい、私の声ですね》

「そうなんだ。 よろしく、レーベン」

《はい、よろしくお願いします。マスター》

ゲオルグはレーベンの言葉に笑顔で頷いた。






本局からシャングリラへ戻ったゲオルグは、レーベンに一刻も早く慣れるべく
早速艦内の訓練スペースへと足を向ける。

「あ、分隊長。 帰ってたんですか」

背後から声を掛けられて振り返ると、そこにはクリーグが立っていた。

「クリーグ士長だったんですか。 ええ、たった今戻ったところです」

「そうなんですか。 それで、新しいデバイスは・・・」

「しっかり受け取ってきましたよ。これです」

ゲオルグはそう言うと胸元から待機状態のレーベンを取り出す。

「へえ、分隊長がもともと使ってたヤツと形はほとんど同じなんですね」

「ええ。レーベンを作ってくださった方がすぐ慣れられるようにと」

「レーベン?」

クリーグは聞きなれない名に首を傾げる。

《私の名前です。 ヤクト・レーベン。略称がレーベンです》

レーベンがそう言うと、クリーグはゲオルグの胸元にあるレーベンに目をやる。

「・・・よく話すデバイスですね」

「そうですね。でも、おかげでお互いのことをよく知れましたから」

「そうですか。 ところで、分隊長はどこに向かってたんですか?
 分隊長の部屋とは逆方向ですよね」

「訓練スペースです。 レーベンに早く慣れておきたくて」

ゲオルグはそう言うと、少し何かを考えるような仕草を見せてから、
あっと声を上げてクリーグの方を
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