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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第4話:ヤクト・レーベン
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ースになったデバイスと後から追加した機能や
 変更したソフトウェアの間に齟齬がある。
 おそらくはお前が相談した何人かが、それぞれにバラバラな意見を
 言ったせいだろうな」

「はあ、そういうもんですか」

ゲオルグはイマイチピンと来ていないのか、わずかに首を傾げながら頷く。

「でだ、お前のプロフィールも見せてもらったが、結論から言えばAIを搭載して
 魔法発動の思考過程をデバイスに分担させることでお前の能力は、
 今よりもかなり向上するはずだ」

「本当ですか!?」

ステラの言葉にゲオルグはグッと身を乗り出す。

「ああ。 デバイスを作り直すことで魔法発動の効率も向上するはずだからな」

「わかりました。ぜひお願いします!」

ゲオルグは椅子から立ち上がり深く腰を折る。

「よし、では1週間後にまた来い。 最高のデバイスを用意しておいてやる」

「はいっ! ありがとうございます」





1週間後・・・
ステラからデバイスが完成したという連絡を受けたゲオルグは、
再びステラの元を訪れていた。
ステラとは違う女性の研究員に1週間前と同じ作業部屋に通されたゲオルグは
適当な椅子に座ってそわそわしながらステラを待っていた。

(AI搭載型のデバイスかぁ・・・どんなのだろ? うまくやっていけると
 いいんだけどなぁ)

期待半分・不安半分といった面持ちのゲオルグの肩に誰かが手を置いた。
驚きでビクッとなるゲオルグが後ろを振り返ると、小さな箱を手にした
ステラが立っていた。

「よく来たな、ゲオルグ。 早速だがこれがお前の新しいデバイスだ」

そう言ってステラは箱を開けた。そこにはゲオルグがもともと使っていたデバイス
と似た形状をした刀剣の飾りがついたペンダントが入っていた。

「これが・・・」

ゲオルグはそう言って恐る恐る箱の中のペンダントに手を伸ばす。
チェーンを握って持ち上げると、部屋の照明を反射して刀剣の飾りが鈍く光る。

「僕の・・・デバイス・・・」

ゲオルグはその輝きに見入られたように呆ける。

「近代ベルカとミッドのハイブリッドであるお前に合わせて、
 処理ロジックを2重化してある。形状は以前使っていたものとほぼ同じに
 してあるから振りまわすのはすぐに慣れるだろう。
 あと、前のデバイスにインストールしてあった魔法はすべて移植済みだ」
 
ステラは自慢げに語るのだが、ゲオルグの耳には届いていないのか、
その手に持ったじっと見つめていた。

「いつまでも呆けていないで、さっさと認証させんか!」

いらだった様子でステラが拳を振りおろすと、ゲオルグは殴られた頭を押さえながら
恨めしげにステラを見る。


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