暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第4話:ヤクト・レーベン
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ュミットといいますが、ハミルトンさんは
 いらっしゃいますか?」

ゲオルグがそう声を上げると、近くに座っていた20代前半くらいに見える男性が
顔を向ける。

「はぁ? ハミルトン・・・って、ステラさんか。ちょっと待ってね」

男性は椅子から立ち上がると部屋の奥へと歩いて行く。
男性が屈むと、ゲオルグの視界から男性の姿が消える。
しばらくすると、男性に続いて一人の女性がぼさぼさのショートカットの頭を
掻きながら立ち上がった。
女性はゲオルグの方をぎろりと睨むと、パタパタという足音を立てながら
ゲオルグの方に向かって歩いていく。
そして、ゲオルグの目の前で立ち止まり、白衣のポケットに手を突っ込んで
ゲオルグを見下ろした。

「お前がミュンツァーの言っていたヤツか?」

「はい。ミュンツァー1尉の部下でゲオルグ・シュミットといいます」

「ゲオルグか。 で、今日はデバイス制作についてだったな。ついて来い」

ステラはくるりとゲオルグに背を向けるとすたすたと部屋の奥へと歩いて行く。
ゲオルグはあわてて彼女について行くのだが、周囲から同情の目を向けられていた。

ステラが部屋の一番奥にあるドアを開けてその中に入り、ゲオルグはそれに続く。
そこは大型の機器がいくつも並ぶ作業場のような部屋だった。

「ここは・・・?」

「うちの作業場だ。 いいからお前が今使っているデバイスを出せ。見てやる」

ステラの強い口調に押されるようにして、ゲオルグはデバイスを差し出した。
ステラはそれを受け取ると、部屋の中に機械の上に置き、いくつかのウィンドウを
目の前に開いてそれをじっと眺め始める。

それから1時間、ステラは時折何かをブツブツ言いながら、また時折何かを
メモしながら、たくさん開いたウィンドウの中にあるデータを見比べていた。
ゲオルグはその間特にすることもなく立ちっぱなしで待っており、
さすがに足が疲れてきたと感じたころに、ふとステラが大きく息を吐きながら
顔をゲオルグの方に向けた。

「ん? お前は何をそんなところに突っ立っているんだ。 適当に座れ」

「あ、はい」

ゲオルグはそう言って頷くと、近くにあった椅子を引き寄せて座る。
ステラもゲオルグと向かい合うように座ると

「まず聞くが、このデバイスをチューンアップしたのは誰だ?」

「僕です。いろんな人に手伝ってもらいながら」

「なるほどな、それでこんなことになっているわけか・・・」

ゲオルグの答えにステラが納得したように頷く。

「どういうことですか?」

「デバイスっていうのはハードウェアからソフトウェアまでひとつの思想が
 貫かれていなければ、効率が悪くなるんだよ。
 こいつの場合は、ベ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ