外伝
外伝1:フェイト編
第4話:ヤクト・レーベン
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姿勢を立て直して
着地すると勢いで床を滑っていく。
ようやく止まったところで顔を上げると、すでにフェイトが目の前に迫っていた。
(なっ! 速い!)
振り下ろされる刃をゲオルグは自分のデバイスで受け止める。
(くぅっ・・・、なんて重い攻撃なんだ)
歯を食いしばってなんとか耐えるゲオルグに、フェイトが声をかける。
「やるね、ゲオルグ」
「フェイトさんこそ」
ゲオルグは鍔迫り合いの中で勝機を見出そうと頭をフル回転させる。
(スピードはフェイトさんの方が上だから単純に下がってもダメだし、
このまま鍔迫り合いを続けたところで押し負けちゃいそうだよね。
やっぱり、イチかバチかアレでいくしかないか・・・ヨシッ!)
ゲオルグは覚悟を決め、両腕に力を込めてフェイトを押し返すと、
距離を取るべく後に飛び下がる。
そして着地した瞬間に自らの希少技能を発動させると、フェイトの視界から
その姿を消した。
(えっ、消えた!?)
目の前からゲオルグの姿が突然消えたことにフェイトは狼狽し、
前後・上下・左右の全方向をキョロキョロと見回す。
「居ない・・・。いったいどこに・・・。っきゃっ!」
フェイトは何者かに背後から弾き飛ばされ、訓練スペースの床に倒れてしまう。
しかし、すぐに飛び上がると自分を攻撃したであろうゲオルグが居るはずの方向に
顔を向ける。が・・・
「いない? そんな・・・」
やはりゲオルグの姿はなく、フェイトは混乱し始める。
《Sir. He is behind you!》
「えっ?バルディッシュ?」
フェイトは疑問を抱きながらも振り返ってバルディッシュを振りおろした。
「どわっ!」
何かに当たった手ごたえとともにゲオルグの声が響き、
床に倒れ伏した状態で気絶したゲオルグの姿が現れた。
「これで終わりだね、ゲオルグ」
《Maybe, he cannot reply, sir...》
「ホントに強いね、フェイトさんは。 全く歯が立たなかったよ」
「そんなことないよ。 もう少しでやられるところだったし」
模擬戦のあとシャワーで汗を流した2人は、通路を並んで歩いていた。
ひとしきり模擬戦の内容について話したところで、フェイトが真剣な表情になる。
「ねえ、ゲオルグ。 模擬戦の感じだとAランクぐらいの実力はありそうに
感じたんだけど、なんでBランクなの?」
「Aランクだなんてそんな・・・。僕はそんな器じゃないよ」
「いや、俺もハラオウンに賛成だな」
ゲオルグとフェイトは背後から聞こえてきた別の声に驚き、振り返った。
そこには、ミュンツァーが立っていた。
「ミュン
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