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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
知らず立ちこめる暗雲
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りませんでしたよ。あ、因みに言葉の端々から知性が滲み出ていましたよ。理性的な性格のようですし、今のところ彼に欠点は見当たらないですね」

「当然よ、私が惚れるぐらいなんだから」

「何で威張っているんですか………。で、はたてはどうしたいの?」

「どう、って」

「恋人になりたいんでしょ?」

「そ、そうよ」

取り繕う意味は無いと悟り、どもりながらも素直に本音を口にする。

「自分がコミュ症だって自覚はあるわよね?そんなで会いに行ったとして、話なんか出来るの?せいぜい不審がられるのが関の山ね」

「………うぅ」

普段なら反抗的な態度を取る場面にも関わらず、落ち込むだけに終わる様子を見て文は本気だと悟る。

「―――ハァ、ごめん言い過ぎたわ。だけど、事実であることに代わりはないわよ。………だから、私がフォローしてあげる」

「へ?」

「別に貴方の色恋を茶化すつもりはないわ。むしろ応援したいぐらい。異性に興味を持つことで貴方がもっと外向的になってくれると私としても嬉しいことだし」

「………何か企んでないかしら。アンタがフォローだなんて」

「企んでいるだなんて。そんなの、貴方の恋の成就の計画を立てているに決まっているじゃないですか」

「それが胡散臭いったらありゃしないのよ」

「好意は素直に受けるものですよー?」

このままでは話が進まないと思い、取り敢えず話を聞くことにする。

「具体的に、何するのよ」

「そうですねー。兎にも角にも接点を作る必要があります。幸いにも私は彼には悪くない印象を持たれている筈ですので、友達感覚で会いに行くこと自体は不自然にならないでしょう」

「で、でも、いきなり会ったところで何を言えば………」

「それこそ、素直な言葉を吐き出せばいいのでは?取り繕った言葉よりも、真摯な本音を告げた方が好感触だと思いますが」

「そんな、それってつまり―――」

「無理なら友達付き合いから始めてもいいのでは?そもそもいきなり告白しても成功するとは思えないですし」

「それは、確かにそうだけど」

「兎に角、会わなければ始まりません。貴方のコミュ症の改善なんてものをしてたら時間が足りませんので、実戦で鍛えて下さい」

「えっ、ちょっ、離しなさい!」

射命丸に腕を取られ、引きずられる形で連れ去られていく。
何故か異常な力を発揮して振りほどけずに、そのまま外へと旅立つ羽目になったのであった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


守矢神社の縁側で、瞑想をするように座して思考を巡らせる。
あの一件以来、私は早苗達と共に居ることに安心感を感じるようになった。
自分はここに居て良いのだと、ここを居場所にして良いのだと思えるように
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