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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
知らず立ちこめる暗雲
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い響きなの」
「何言ってるんでしょうねこの子は」
「で、その事情って何よ。その口ぶりだとただの取材協力者って訳じゃないんでしょ?」
「ああ、そのことですか。貴方も知っているでしょう?椛のこと」
「あの仕事馬鹿ね」
「彼女に運悪く遭遇した彼が、訳あって外套を貸し与えたらしいのですが、それを良しとしなかった彼女に代わって私が外套を返したのです」
「ふん、いい気味よ。それにしても、椛を倒すだなんて実力もあるのね、ますますいいわぁ………」
「やだ、何この子こわい」
「それで、それ以外には?」
「特にありませんよ。せいぜい彼が外から来たことと、物を瞬時に造り上げる能力を持っていることぐらいですかね」
「外来人なのね。椛を退けるほどの実力者の名が広まっていないのも、理由がわかれば頷けるわね。それに、創造の能力って?」
「うーん、私も詳しいことは分かりませんが、少なくともちょっとした着物や小道具は瞬時に何もないところから生み出していましたね。一応、これが証拠品ですが」
そういって手渡されたのは、見たことのないような筆記道具の数々。
これが筆記道具だとわかったのは、単に筆と構造が似ていたというのもあるが、射命丸が書くものと紙以外に何かを持っているイメージが沸かなかったからなのが大きい。
「………文、なんでこんなものをもらってるのよ」
「いやー、だって外来人で外の道具を作れる能力があると言われれば、貴方だってそうするでしょう?」
「う………いや、そんな情けない真似はしないわよ!」
「あーそうですね。それはともかく、どうしたんですか?彼の事を聞き出そうとするなんて」
「そ、それは………」
押せ押せな気概が、射命丸の一言で霧散する。
当然だ。文は知らぬとはいえ、はたてがここまで鬼気迫る様子を見せたのは、エミヤシロウに一目惚れしたという理由なのだから。
ただでさえ一定の相手ぐらいしか交友関係のないはたてが、おくびにも出さず色恋沙汰の会話など―――ましてや自分がネタの対象ともなれば、無茶無謀を通り越して愚行ですらある。
しかし、そこは何かと勘の鋭い文。
思い立つが否や、ニヤニヤとした表情をはたてに向け出す。
「ははん、なーるほどね。そういうこと」
「何よ、気持ち悪い」
「いえいえ。まさかそんな、身近の相手がコテコテに使い古された流れに沿うだなんて思いもしませんでしたもので。あー、そっかー。とうとうはたてにも春が来たかー」
「―――――なっ!」
射命丸の言葉を噛み砕き、喉元を通り過ぎた途端に恥ずかしさがこみ上げる。
そんなにもわかりやすい態度を取っていたのかと、頭を抱えてしまう。
「まさかはたての趣味が、こういう野性的な風貌だとは知
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